痛風治療 日本との違い・・・
2011年 02月 03日
「高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン第2版(2010年)」
日本痛風・核酸代謝学会ガイドライン改訂委員会/編:pdf
http://minds.jcqhc.or.jp/ar/Finf000.aspx?TPNUM=T0005695
以下の総説がすべて正しいというわけではないだろうが・・・
・痛風のない高尿酸血症治療などもってのほかというスタンス(v 日本では「無症候性高尿酸血症導入を結成尿酸値 8.0mg/dLを目安」)
・尿中排泄阻害型などのFEUAなどの高尿酸血症病型把握なし
・生活指導はさほどこまかくない:プリン体や尿のpH etc.
・ウラリットなどの尿アルカリ化剤の記載がない
Gout
Tuhina Neogi, M.D., Ph.D.
N Engl J Med 2011; 364:443-452February 3, 2011
・急性痛風発作
オプションは、NSAIDs、コルヒチン、ステロイド、corticotropin
NSAIDsとコルヒチンが第一選択薬で、ガチンコ研究では、両者同様のベネフィット
ステロイド、corticotropinはデータ不足
2つのRCTで、経口5日間投与(30mg/日、35mg/日)で、インドメタシンレジメン、ナプロキセン投与群と同様。
・高尿酸血症
コンセンサス・エビデンスとも、高尿酸血症患者に対する尿酸低下治療は、年2回最低発作もしくは、痛風結節(臨床的確認もしくはレントゲン確認)患者に対して行うとされる。
発作の重症度、発作回数、腎結石などの合併症の存在、患者の好みが考慮される。
尿酸低下治療は、急性発作の時は開始すべきでなく、2-4週後、少量から開始し、数週間から数ヶ月で増量するよう気をはらうべき
6mg/dl未満を維持するよう調整し、これにより痛風発作、痛風結節リスク減少につながる。
5mg/dL未満への厳しいターゲットが必要かは不明。
xanthine oxidase inhibitors、 uricosuric agents、 uricase agents が用いられる
アロプリノールが最も頻用薬剤だが、副作用が多く、軽度皮疹は約2%、重度の過敏反応が少なからずみられるのが問題で、生命危機状態に至ることもある。減感作は試みられるが、これにより予防できるかは不明。投与量は300mg/日が多いが、800mg/日まで増量すべき時がある。ただ、腎機能正常が条件。
xanthine oxidase inhibitorとして、febuxostatが新しくFDA承認を受け、アロプリノール300mg比較で、80、120mgで2.5-3倍尿酸<6mg/dl到達率を上げる。まだ、安全性、有効性に関して検討不十分なところがある。
プロベネシドなどのuricosuric drugは、尿細管再吸収阻害効果によるもので、痛風患者の90%までと考えられる、尿酸低排出例に効果があるかどうか疑問であり、尿路結石例に関しては禁忌。利用頻度がアロプリノールより少ない。
ベンズブロマロンは、米国で発売されてない。軽症・中等症腎不全でも使えるが、肝毒性の可能性がある。ただ、アロプリノールと同等、プロベネシドより優れている。
ウリカーゼ(尿酸オキシダーゼ)は、尿酸を可溶性allantoinへ転換するもので、polyethylene glycolated (pegylated) ・ブタ組み替えウリカーゼをFDAで承認、効果が確認されている。ただ、静注・点滴必要。
非薬物的アプローチはコントロールには不十分だが、アルコールを避け食事を修正することで、尿酸値を下げられる。ビタミンC/日2ヶ月で尿酸を0.5mg/dl低下させたという報告。牛乳摂取で10%減少させたという報告。losartanやfenofibraeはuricosuric effectがあるが、どの程度痛風を抑えるかは不明。
痛風が疑われる場合は、関節液や痛風結節せん刺し、痛風結晶の確認をすること。
マネージメントは、病期、基礎疾患で、調整
高尿酸治療必要な場合は<6mg/dl未満へ維持する、腎機能正常ならしかるべく増量を行う。100mg/2-4週間かけて増量で、副事象評価と腎機能、尿酸評価が必要。
アロプリノール増量時、コルヒチン予防投与に合理性がある。
アロプリノール使用不能なときなど、febuxostatや uricosuric agent使用が考慮される。
生活指導として、アルコール摂取、肉・シーフーズ、甘味飲料の総量が尿酸値増加と関連することは理解されるべき。水分補給と体重減少は助言されるべき。
心血管疾患リスク要素把握必要。
HCTZは高尿酸血症促進的だが、間欠投与になることがかえって痛風発作を引き起こす可能性があり、降圧降下十分なら、減量の必要性はないしている。そういう場合は、ロサルタン追加が考慮されても良い。
一度、目標値に到達した後も、維持必要で、副事象モニタリングも必要。
by internalmedicine | 2011-02-03 10:32 | 医療一般