注意欠陥・多動性障害に制限食有効という報告:治療に結びつく新発見? いんちきか?

米、肉、野菜を含む選択肢の少ない食事のみとすると、ADHD(注意欠陥・多動性障害)の子供の症状が軽減するという・・・、眉唾と当初からうらがわれながらの発表(http://www.medpagetoday.com/Pediatrics/ADHD-ADD/24685

”restricted elimination diet”

"Effects of a restricted elimination diet on the behaviour of children with attention-deficit hyperactivity disorder (INCA study): a randomised controlled trial"
Pelsser LM, et al
Lancet 2011; 377: 494-503



4週間制限食、健康食指導書が与えられ、waiting listに置かれ、内容は、米、肉、野菜、洋なし、水の小種類の食事、ただ、ジャガイモ、フルーツ、小麦といったもので代替可能とした。

5週後、ADA症状改善した制限食群の対象児に4週間、二重盲検、交差食事投与時期をもうけ、高IgG、低IgG食にて特異的反応を評価した。

100名の子供を登録し、年齢平均6.9歳

初期5週食事相の終了時、制限食群では、ADHD、反抗的行為障害症状が64%の子供で改善し、対照食群では改善がみられなかった。

5週後、マスクされた小児科・非マスク下教師ratingとも、ADHD Rating Scale (ARS) スコア平均差は、有意に制限食群は対照食群より有意に少ない (P<0.0001)。

abbreviated Conners' scale (ACS) (過活動、衝動性、注意、気分、かんしゃく)は有意に両親・教師ratingにて制限食群が低い (P<0.0001)

IgE値は臨床的レスポンスと相関せず、これはADHDにおける食事の過敏性メカニズムがアレルギーによるものではないことを示唆。

二次相研究で、制限食30名の子供には、3つの高IgG、3つの低IgG食を含む食事を与えられ、19名(63%)でADA症状の再発が、両群あるいは片方の群の食事投与でみられた。

1/3に対抗症状がみられなかった事実は、この知見の解釈を困難にしている。特定の食事への反応を示すIgGは行動上のnegativeな影響があることを予測できず、低・高IgGでも同数再発が生じることが解釈上難しいし、この知見から直接何かの助言を得ることを困難にしている




by internalmedicine | 2011-02-04 09:19 | 精神・認知  

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