喘息に関係する遺伝子
2004年 10月 21日
で、今回読んだ論文は、喘息とプロスタノイドの方のSNPs (一塩基多型)でした。
プロスタノイド受容体との関係はちょっと意外、臨床的にはLT拮抗剤がこの方面は主流なので・・・IPDのLT拮抗剤との差別化などのいい宣伝になるのか?たしかにLT拮抗剤よりより広範なTH1/TH2modification drugが効く場合もありますから・・
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Role of Prostanoid DP Receptor Variants in Susceptibility to Asthma
http://content.nejm.org/cgi/content/full/351/17/1752
NEJM Volume 351:1752-1763 October 21, 2004 Number 17
喘息は年住居者では4人に1人合併している:合併症、死亡率、経済的コストと関連しているがその罹患しやすさの要因に関しては詳細不明である。
prostanoid DP receptor gene (PTGDR) は染色体14q22.1にあり、359アミノ酸基のheptahelical transmembrane G-protein–coupled receptorをコードしている。
喘息の表現型を要しているので、その部位が喘息やアトピーとリンクしている部位であるので喘息遺伝子の候補である。prostanoid DP receptorは喘息のマウスモデルの感作成立に必要である。喘息phenotypeは非機能性のDP受容体を有するマウスでは進展しない。
PTGDRのvariantを調べ、転写の効果を検討。
4つの新しいそして2つの以前から報告のあるPTGDRとその近傍のSNPsを同定。
4つのコモンなthree-SNP haplotypeを定義し、それがPTGDRの転写へさまざま影響を及ぼし、あきらかなDNA結合蛋白親和性を有している。
個々のPTGDR SNPsは有意に2つのpopulation群で喘息と相関がある。
特異的なPTGDRハロタイプは有意に白人対象の大規模症例対照研究で喘息の診断と有意差(P=0.002)。黒人2世代でも確認(P=0.01)
ハロタイプ組み合わせ:ディプロタイプ(diplotype)の多変量解析で、たとえ低転写効率が低いハロタイプであっても少なくとも1つのハロタイプのコピーを有する場合では、白人(odds ratio, 0.55; 95%CI 0.38 - 0.80; P=0.002)、黒人(odds ratio, 0.32; 95% 0.12 - 0.89; P=0.03)はハロタイプのコピーがないものに比べ喘息のリスクが低い。
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【総説】アレルギー疾患に対する関連遺伝子のマッピング:2003年
Mapping susceptibility genes for allergic diseases
http://www.chestjournal.org/cgi/reprint/123/3_suppl/363S-a
CHEST / 123 / 3 / MARCH, 2003 SUPPLEMENT 363S
Characterization of the recombinant human prostanoid DP receptor and identification of L-644,698, a novel selective DP agonist
http://www.brjpharmacol.org/cgi/content/abstract/123/7/1317
British Journal of Pharmacology, Vol 123, 1317-1324
関係ないけど、昨年アナウンスのあったデータベース公開されてたみたいですね。
(喘息無いけど・・・)
老年病SNPデータベース
http://www.tmgh.metro.tokyo.jp/jg-snp/japanese/top.html
by internalmedicine | 2004-10-21 10:31 | 呼吸器系