メタアナリシス:大麻は精神病発症年齢を若年化させる

医療用麻薬に関してその利用は推進してほしいものだが、一方で、町中の薬局で、麻薬が堂々とOTCとして販売され、本人確認されず発売されている現状は、日本は決して麻薬に対して厳しい取り締まりをしているとは言えない。また、大麻を非犯罪化使用とする動きがいつももたげてきて、それに賛同する意見が意外と多いのに驚かされる。詭弁としては、”有害性が低い、あるいは、たばこと同程度”などと、絶対的評価を避けるミスリード、比較対象を都合の良いように選別するミスリードする手法が用いられているようだ。

そういう世情を嘆きながら、大麻に関して、精神病発症頻度ではなく、発症年齢を早期化するという、国家的にみれば、大麻が社会的損失をもたらすというエビデンスが見いだされた。

メタアナリシスによると、大麻使用により精神病発症年齢は2.70年(標準化平均差 = –0.414) ほど早く発症。
一般的な不正薬物使用者は、2.00年 (標準化平均差 = –0.315) ほど早く発症。
飲酒は発症年齢早期化と有意な相関はみられない。
薬物使用における、大麻使用比率が研究毎のeffect sizeのheterogeneityに有意に寄与している。このことで、大麻が、精神疾患発症若年化と関連することを示す。

Large M, et al "Cannabis use and earlier onset of psychosis. A systematic meta-analysis" Arch Gen Psych 2011; DOI:10.1001/archgenpsychiatry.2011.5.




Table 1. Meta-analysis of Substance Use and Age at Onset of Psychosis Grouped by Substance, Sex, and Severity of Substance Use



Table 2. Meta-regression and Multiple Meta-regression of Factors Associated With Heterogeneity in the Effect Size of Substance Use on the Age at Onset of Psychosis

by internalmedicine | 2011-02-08 08:25 | 精神・認知  

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