入院即制酸治療の入院中消化管出血NNTは770 ・・・ 故に、ルーチン予防投与推奨しない

日本でも、入院だから、即、制酸治療(この論文ではPPIもしくはH2ブロッカー)しているところはないと思う。日本人医師は、NSAIDs服用患者や強度のストレス状態の患者は別として、入院したら即、制酸予防って対策のほうがおかしいと思うだろう。


一応、おつきあいで読んでみると、1例予防するための必要数(number needed to treat to prevent ) 770で、入院時制酸剤必要でないと記述されている。


Acid-Suppressive Medication Use and the Risk for Nosocomial Gastrointestinal Tract Bleeding

Shoshana J. Herzig, MD, MPH; Byron P. Vaughn, MD; Michael D. Howell, MD, MPH; Long H. Ngo, PhD; Edward R. Marcantonio, MD, SM

Arch Intern Med. Published online February 14, 2011.



78394入院例(平均年齢 56歳、41%男性)のコホート
制酸剤投与 59%、院内消化管出血 224(0.9%)
propensity scoreマッチ後、制酸剤投与v非投与 院内消化管出血補正オッズ比は、s 0.63 (95% confidence interval, 0.42-0.93)
院内消化管出血予防必要数(NNT)は、 770



やはり効果があるんだと、筆者と逆の印象持ったりして・・・アウトカム悪ければ即医療訴訟に結びつく日本の現状では結論が曖昧になる。


NNTの取り扱いって、一定の基準があるわけではない。NNT 10000だろうが、10だろうが、その臨床的アウトカムなどや期間などで左右される。NNT数だけで推奨を決めているような表現にちょっと疑問が残る。なら、NNT100以上のスタチンの一次予防も必要ないと推奨しろよ!・・と、言いたくなる。

by internalmedicine | 2011-02-15 08:35 | 消化器  

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