3-5分程度のランニング前ストレッチは無意味

表題通りであるが・・・

ランニングを対象として、わずか3分程度のストレッチの効果をみているのであり、よりハードなスポーツに関する報告でもなく、抵抗運動が主体となる運動などでの効果をみているものではない。
そして、損傷定義が、一週間ほどランニングできないというより重度の定義であり、損傷の敷居が高い。

など、すべてのスポーツで、ストレッチ不要という結論には成りがたいだろう。


2011 Annual Meeting Paper Presentations
Sports Medicine/Arthroscopy 6: Leg, Ankle, and Arthroscopy

The impact of a pre-run stretch on the risk of injury in runners

http://www3.aaos.org/education/anmeet/anmt2011/podium/podium.cfm?Pevent=648


2729名のボランティアランナーの、ランニング前ストレッチ v 非ストレッチの前向き、ランダム化2アーム非マスク化比較研究
13歳超、最低でも週10マイルのランニング

ランニング前にストレッチング・非ストレッチング3ヶ月させて、ブラインド化した情報を提示しているsecureなウェブサイトで情報提示。大腿四頭筋、ハムストリング、ふくらはぎ群への3つのストレッチが記載。時間はランニング前 3-5分。3ヶ月間これらのルーチンをキープさせる。
コンプライアンス情報を含む、すべての結果は自己報告。損傷定義は、少なくとも1週間ランニング禁止を下もの。すべての損傷を大まかにカテゴリー化。

1398(51%)を検討対象
per-protocolコホートは、ストレッチ群 600(43%) v 非ストレッチ群 789(57%)

raw injury率は、両群16%

220損傷中115は医療機関で診断

膝損傷が41/220(19%)、足・踵関節損傷 56/220(25%)、股関節損傷 6/220(3%)、腰背部 10/220(5%)、その他ストレスによる損傷を含むすべてのタイプの筋断裂・股関節障害 105/220(48%)

3ヶ月後、通常のストレッチと非ストレッチ群で、損傷リスクに関して統計学的に有意な差がみられなかった。

ランニング前ストレッチングは、損傷予防に役立たず、また、それによって損傷を引き起こすこともなかった。

3ヶ月期間中の損傷リスク要素は、BMI(重いほど、損傷リスクが高い)、年齢(高齢ほど、損傷リスクが高い)、週の平均マイル数(マイレージが多いほど、損傷リスクが高い)、慢性損傷既往・4ヶ月以内の損傷既往歴である。

通常ルーチン割り付け群に比べ、ランニング事前ルーチンに変わった期間に損傷生じやすい。また、リスク群の多くは、ストレッチを行ってた対象が突然やめた群でもある。



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by internalmedicine | 2011-02-18 08:25 | 運動系  

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