楽観的に考えるほど、心血管疾患は、生命予後・機能予後とも、よくなる

鎮痛剤:効くと信じれば効果2倍、信じなければ効果減弱 脳の機序部位の相違認める [2011-02-28] は、私のブログにしては、RT多いようで・・・一定の反響があるようだ。

いい気になって・・・というわけでもないのだが・・・

楽観的に考えるほど、心血管疾患は、生命予後・機能予後とも、よくなる

原文に沿えば、回復に関する期待はその後の身体的、社会的回復を促進と相関するという報告

三次医療機関入院患者での検討で、冠動脈造影後の予後推測においての患者の考えと、1年後の機能状況を評価。
ベースライン評価補正、臨床的指標補正を行ったあと、予後への期待は、その後の生存率と相関していた。
期待度を4分位に分け、その中間4分位との差に対して、総死亡率のハザード比(HR)は、0.76(95%信頼区間[CI], 0.71-0.82) で、心血管死亡率HRは0.76 (95% CI, 0.69-0.83)
さらに、民族・心理社会的変数補正後も、それぞれ 0.83 (95% CI, 0.76-0.91) and 0.79 (95% CI, 0.70-0.89) 。同様の相関が機能状況に関しても見られた。

Recovery Expectations and Long-term Prognosis of Patients With Coronary Heart Disease

John C. Barefoot, PhD; Beverly H. Brummett, PhD; Redford B. Williams, MD; Ilene C. Siegler, PhD, MPH; Michael J. Helms, BS; Stephen H. Boyle, PhD; Nancy E. Clapp-Channing, RN, MPH; Daniel B. Mark, MD

Arch Intern Med. Published online February 28, 2011. doi:10.1001/archinternmed.2011.41


筆者らは、2つの仮説、立ててる(参考:http://www.medpagetoday.com/Cardiology/Atherosclerosis/25115)。
1)楽観的な態度が治療回復を望める治療選択に向かわせるのではないか
2)よりネガティブな状況の人ほど悲観的になり、心的ストレスを悪化させ、結果、イベント増加につながる
そして、筆者ら自身が、解釈をする上で、選択バイアスや寄与因子補正が十分でない可能性があると説明している。

だが、悲観的態度が薬物アドヒアランスや身体活動や食事・睡眠などを含めた生活面全般に悪影響を及ぼしそうであることは納得出来る話である。




日常診療上、あまり楽観的になるような話をすると、説明義務違反と司法判断されるこの時代・・・楽観的に患者をさせることが難しくなっていることも確か。医療現場で”期待権が民事上認められる”ことも大きな理由の一つ。ただ、”最高裁平成23年2月25日判決(期待権訴訟逆転敗訴)”(参照:読売新聞)は、このような風潮に一石を投じている。

by internalmedicine | 2011-03-02 09:59 | 動脈硬化/循環器  

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