喫煙と侵襲型乳がんの関係:能動喫煙は量依存的、受動喫煙との関連示唆
2011年 03月 02日
”自己報告能動・受動喫煙記録”と”病理的な侵襲型乳がん”の関連をしらべたもの
結論は、閉経後女性において、能動喫煙は、その程度・期間に応じて、乳がんリスク増加させる。受動喫煙に関してもその関係が示唆される・・・というもの。
Association of active and passive smoking with risk of breast cancer among postmenopausal women: a prospective cohort study
BMJ 2011; 342:d1016 doi: 10.1136/bmj.d1016 (Published 1 March 2011)
平均10.3年フォローアップ総数3520名の侵襲型乳がん
非喫煙者女性比較で、乳がんリスクは喫煙既往で9%増加 (hazard ratio 1.09 (95% CI 1.02 to 1.17)) 、現行喫煙で16%増加 (hazard ratio 1.16 (1.00 to 1.34))
喫煙強度・喫煙期間、10歳代喫煙開始とに、喫煙者では有意な乳がんリスクの相関が見られる。
50歳以上喫煙者女性において、乳がんリスク最大なひとは生涯非喫煙者に比べ、ハザード比 1.45 (1.06 to 1.98) 。受動喫煙を含めて喫煙歴ゼロ比較では1.45 (1.06 to 1.98)
乳がんリスク増加は禁煙後20年まで持続。
喫煙既往無しの女性に比べ、寄与因子補正後、受動喫煙最大者(小児期10年以上、成人期居宅20年以上、成人職場10年以上暴露)は、受動喫煙無しの女性に比べ、32%の超過リスクを認める(ハザード比 1.32 (1.04 ~ 1.67))。しかし、低暴露との有意な相関は認めず、受動喫煙に関しては明らかな量的関連を認めなかった。
喫煙のがんリスク、20年間禁煙で、非喫煙者レベルに・・・って指導されているようだが・・・まぁ妥当?
by internalmedicine | 2011-03-02 10:52 | がん