糖尿病の死亡検討:50歳糖尿病は非糖尿病に比べ6歳早死に、40%が心血管以外の死

糖尿病の存在は心血管リスクを約2倍にするが、非血管系疾患との関連も明らかになってきている。たとえば、がん、肝臓癌んや膵がんなどで、高脂血症からの直接の影響、インスリン抵抗状態・高インスリン血症などからの間接的影響や肥満アドのリスク共有部分などで説明されている。

いづれにせよ、包括的に、糖尿病を有する場合の、死の詳細を記載しているものが少なかった。

Diabetes Mellitus, Fasting Glucose, and Risk of Cause-Specific Death

The Emerging Risk Factors Collaboration

N Engl J Med 2011; 364:829-841March 3, 2011


約82万人のうちの約12.3万死亡を、ベースライン糖尿病状態・血糖状態のハザード比評価

年齢、性、喫煙状況、BIM補正後、糖尿病無しに比べ
糖尿病では
全原因死亡 1.80 (95% 信頼区間 [CI], 1.71 to 1.90)
がん死 1.25 (95% CI, 1.19 to 1.31)
心血管死 2.32 (95% CI, 2.11 to 2.56)
他の原因死 1.73 (95% CI, 1.62 to 1.85)

糖尿病は、肝臓、膵臓、卵巣、直腸結腸、肺、膀胱、乳がんといったがん死と比較的相関

がん、心血管とは別に、糖尿病は、非糖尿病と比較し、腎疾患、肝疾患、肺炎、他の感染症死亡と関連し、精神疾患、非肝臓消化器系疾患、外因死、意図的自傷、神経系疾患、COPDを原因とする死亡とも関連。

ハザード比は、血糖値補正後減少するが、収縮期血圧、血糖値、炎症性指標・腎指標補正後は変化しない。

100mg/dl(5.6 mmol/L)を超える空腹時血糖では、死亡率と関連し、70-100 mg/dL(3.9-5.6 mmol/L)では関連していない。

50歳で糖尿病の場合、平均的には、非糖尿病に比べ、6年寿命が短く、非血管死の超過寄与生存比率差は40%程度。

by internalmedicine | 2011-03-03 10:07 | 糖尿病・肥満  

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