たばこ製造企業は国家レベルを超えた経済的パワーをもち、たばこ規制を阻害している

”喫煙制限施策の失敗は、国際的・各国国内的に、また、政府施策としての、たばこ規制無視が広がったための症状発症とみるべきで、結果的に医療研究や臨床費用高騰をもたらしている”という結語の報告。

Taxing tobacco profits to prevent the smoking epidemic
The Lancet, Early Online Publication, 4 March 2011
doi:10.1016/S0140-6736(10)62040-5


たばこ企業が、国レベル財政規模を遙かに凌駕するほどの経済的パワーをもち、それが、世界的なたばこ規制の弊害となっているという報告。


生涯喫煙者の場合、約半数が喫煙により死亡し、世界的圧倒的死亡数や障害をもたらし、それは発展途上国で顕著である(Smoking kills about half of all lifelong smokers, so a massive global epidemic of death and disability from smoking, predominantly in the developing world, is inevitable. )。
故に、世界的な健康上の最優先事項である。

WHOによFramework Convention on Tobacco Control (FCTC)は先進国では多くの国が批准されているが、 FCTCはまだ批准されておらず、途上国ではかなり遅れている。

Callard(Tob Control 2010;19:285-290 doi:10.1136/tc.2009.035071 )は、たばこ製造会社の巨大な利益を検討し、5つの多国籍企業は3000億USドルの収入を得ており、多くの国のGDPを凌駕するレベルであり、各国に1600億USドル税収をもたらしている。利益相反のため、140億米国ドルが費やされているという報告。たばこ製造企業は予算など公表されず、2006年米国だけで124億ドル推定される。この巨大なる経済的パワー、2008年のたばこ規制に関しての費用は2400万ドルというインバランス。
皮肉なことに、たばこ規制に関してたばこ製造会社がコストをだしているという事態が起きている。

by internalmedicine | 2011-03-07 09:36 | 喫煙禁煙

 

<< 地球外シアノバクテリア発見?  バカ民主; エフェドラ放置国日... >>