臨床トライアル・メタアナリシスの利益相反
2011年 03月 09日
メタアナリシスを信じることは危険で、選別バイアス、出版バイアスなどバイアスが入り込み、むしろ、RCT単独より、著者の恣意性が入り込みやすい。
故に、利益相反を明らかにしておくことは重要なはず。
だが、現実はかなり、おそまつ。
Reporting of Conflicts of Interest in Meta-analyses of Trials of Pharmacological Treatments
2011;305(10):1008-1017. doi: 10.1001/jama.2011.257
29のメタ・アナリシスレビュー、509のRCTsを含み、これのうち、2つのメタ・アナリシス(7%)がRCTファンディングソースを明らかにしていただけで、RCT著者・企業関係や雇用関係など報告は無し
ファンディングソース明らかにした318のメタアナリシスされたRCTのうち、219(69%)は企業からのもので、著者の経済的ディスクロージャーを行った報告のうち、91/132(69%)は、製薬企業との経済的つながりをもつ一人以上の著者がいる報告であった。
レビューされた29メタアナリシス中7つで、少なくとも一つの形だけでもCOIディスクロージャーを100%行っただけで、その7つのメタアナリシスの1つのみがRCTのファンディングソースを報告したに過ぎず、RCTの著者・企業とのつながり・雇用関係を報告したのは無かった。
日本の厚労行政、製薬メーカーなど企業に、様々な調査報告をさせている。
税金を使わないためだろうが、薬事行政に利益相反もくそも日本には無いと思う。
だから、薬剤の問題が出たとき、まともに、堂々と答えられない・・・
構造的欠陥
by internalmedicine | 2011-03-09 09:31 | 医学