小脳はヒトのインテリジェンスと関連する:高齢認知機能と小脳回白質容積の関連証明

高齢者において、小脳容積が、より強く認知機能と関連するという報告。

ヒトのインテリジェンスは、大脳皮質によりコントロールされ、故に、認知機能低下は皮質の機能障害というのがもっぱらの見方であった。

今回は、小脳の灰白質が重要な要素であるという話。

前頭葉萎縮は年齢と関連した認知機能低下のパターンであるが、小脳を含めた他の領域に関しても加齢との関連が示唆されている。小脳容積と認知機能の関連は高齢者において報告されているが、小脳回白質、小脳白質容積の関連は明らかでなかった。そして、小脳容積が認知機能と高齢者において関連するかの報告もなかった。

voxel based morphometry (VBM) とstructural equation modelling (SEM)解析
全般的認知機能(G)と、前頭葉・小脳の灰白質(GM)、白質(WM)を228名の高齢者(121名の男性、107名の女性)で検討

小脳のGM容積は全般的認知機能を予測し、総脳内容積(TICV)や前頭葉灰白質・白質による完全補正でも同様。
男女差があり、男性では、小脳容積と全般認知機能に特に相関が見られた。


Cerebellar brain volume accounts for variance in cognitive performance in older adults.
Michael J. Hogan, Roger T. Staff, Brendan P. Bunting, Alison D. Murray, Trevor S. Ahearn, Ian J. Deary, Lawrence J. Whalley.
Cortex, 2011; 47 (4): 441 DOI: 10.1016/j.cortex.2010.01.001


by internalmedicine | 2011-03-09 09:49 | 中枢神経

 

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