サルモネラ感染源追求いい加減な日本 v 米国サルモネラ菌大流行事例

岩見沢のサルモネラ集団感染は、その原因?・・・結局、うやむや?(器具の消毒不十分 感染経路は特定できず 岩見沢食中毒

なんと、貧弱な感染源追求なんだろう! やる気のなさが垣間見える。厚労省くらいが食物由来感染症対策本部を立ち上げて、国家的に取り組みべき事案なのに・・・

食中毒など"Foodborne Disease"に関し、 日本政府・厚労行政は、司法の偏った判断や脅しに屈し、公衆衛生をないがしろにしている。

話は、2008年米国サルモネラ菌食中毒大流行は生野菜汚染によるもの 2011-02-24と重複するが・・・

米国では、4800万人の罹患、13万8千の入院、3千名の死亡があるとCDCは推定している。これでも、正確ではないとしている。2010 FoodNet reportでは、10年前に比較し、shigella、 yersinia、 Shiga-toxin–producing Escherichia coli (STEC) O157、 campylobacter、 listeriaは25%減少しているが、ビブリオは増加し、サルモネラは10%程度減少に過ぎないと報告。
生ものによる感染が米国内に広がり、その発見・コントロールが公衆衛生上問題として挙上している。
(http://healthpolicyandreform.nejm.org/?p=13832&query=home)


”Salmonella enterica serotype Saintpaul”の流行の分析
1500名中21%が入院、2名死亡
3つの症例対照研究では料理店の集積性が無く、生トマト食とが有意に関連が認められた((matched odds ratio, 5.6; 95% 信頼区間[CI], 1.6 to 30.3)
他、メキシコ料理食 (matched odds ratio, 4.6; 95% CI, 2.1 to ∞) 、ピコ・デ・ガロ サルサ 食(matched odds ratio, 4.0; 95% CI, 1.5 to 17.8)、コーン・トーティーヤ食(matched odds ratio, 2.3; 95% CI, 1.2 to 5.0)、サルサ 食(matched odds ratio, 2.1; 95% CI, 1.1 to 3.9)。
料理店やイベント関連クラスターでの9つの解析で、ハラペーニョペッパーが添加されハラペーニョペッパー or セラノペッパーが他の3つのクラスターでみられた。
生トマトが、3つのクラスターで含まれ、流行原因はテキサスで集荷され、農業用水によるハラペーニョペッパーで、メキシコの農場でのセラノペッパーに起因するとされた。トマトのtracebackは一つの感染源に収束しなかった。


2008 Outbreak of Salmonella Saintpaul Infections Associated with Raw Produce
N Engl J Med 2011; 364:918-927March 10, 2011


かように、行政が、最大限の力を発揮しない限り、その原因にはたどり着けないし、原因が分からないと、再発を繰り返すこととなる



中間報告として、”ブロッコリーが原因”と断定されている
http://www.47news.jp/CN/201102/CN2011022301000349.html
 ↑
大手新聞社や大手テレビ局がこれを報道した形跡はない。
大阪カイワレで、怖じ気づいているのであろう。

by internalmedicine | 2011-03-10 10:40 | 感染症  

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