CT冠動脈血管造影はかなり正確だが、検査感度など施設間ばらつきが大きい そして放射線暴露は甚大

CT冠動脈造影(CTCA)は閉塞型下動脈疾患検知の臨床的受容性が増加しつつある。単独施設研究では優秀な正確性報告があるが、多施設研究ではばらつきが見られた。
リアルワールドで、CTCAの診断正確性は未だ不明
MDCTによる冠動脈造影(CTCA)を侵襲的冠動脈造影(ICA)と比較し、CTCAのリアルワールドでの診断的正確性の理解を示そうとする研究

Ontario Multidetector Computed Tomographic Coronary Angiography Study:
Field Evaluation of Diagnostic Accuracy
Benjamin J. W. Chow; Michael R. Freeman; James M. Bowen; Leslie Levin;
Robert B. Hopkins; Yves Provost; Jean-Eric Tarride; Carole Dennie;
Eric A. Cohen; Dan Marcuzzi; Robert Iwanochko; Alan R. Moody; Narinder
Paul; John D. Parker; Daria J. O'Reilly; Feng Xie; Ron Goeree
Arch Intern Med Published online March 14, 2011.


ICA待機多施設コホート研究で2006年9月から2009年6月まで。冠動脈疾患に関して低・中間検査前確率で、CTCA、ICAを10日以内に検討したもの
CTCAやICU症候群の結果は、すべての臨床データ、画像診断盲目化された地域専門家により視覚的解釈がなされたもの
患者ベース解析(直径狭窄率 50%以上)169名のデータを用いて、感度、特異度、PPV、NPVを検討
それぞれ、81.3% (95% 信頼区間 [CI], 71.0%-89.1%)、93.3% (95% CI, 85.9%-97.5%)、91.6% (95% CI, 82.5%-96.8%)、 84.7% (95% CI, 76.0%-91.2%)

area under receiver operating characteristic curve 0.873

診断正確度は施設毎にばらつきがあり (P < .001)、感度、特異度、PPV、NPVそれぞれ 50.0%~ 93.2%、 92.0% ~ 100%, 84.6% ~ 100%、 42.9% ~ 94.7%



感度のばらつきは深刻だと思われる。施行関連施設では、トレーニングが行われるべき。

CT血管造影に関して放射線被曝量 5mSvから41mSv、中央値 12mSvという報告がある。
(The International Journal of Cardiovascular Imaging (formerly Cardiac Imaging) Volume 25, Number 4, 421-423)

他の報告では、CT検査では10-25 mSV、侵襲的冠動脈造影は2-20 mSVで、決して、放射線被ばくとしては”non-invasive"とは言えない

放射線被曝のリスクを上回る有益性のある検査はざらにあり、やらなければならない検査は是非行うべきだろう。だが、施行するための、病変事前確率を考えた上、記載した上でのCT血管造影でなければならない。そして、ユニバーサルな指標が必要であろう。医療コスト、放射線被曝面から言っても・・・


エビデンス無き肺がん検診:3分の2のプライマリケア医はガイドラインに反し推奨してしまっている 2010-11-08

がん検診利用の場合のコンセンサスはない?・・・全身PET/CTの生涯癌リスク寄与推定 2009-04-07



福島の原発問題これからどうなるか心配だ。
「チェルノブイリ化の恐れ低い」=福島原発に人為ミスなし―IAEA事務局長
2011年3月15日 05時55分

 【ベルリン時事】国際原子力機関(IAEA)の天野之弥事務局長は14日、記者会見し、東日本大震災で爆発を起こした福島第1原発について、「チェルノブイリ原発事故のような事態になる恐れは非常に低い」との見解を示した。

 天野事務局長は、福島第1原発は「チェルノブイリとは設計も構造も異なっている」と説明。また、今回の事故はチェルノブイリのように人為的なミスや設計上の問題が原因ではなく、「想像を超す自然災害に見舞われたために起きた」と語った。


これを信じるしかないだろうし、人災ではなく、天災なのだから、関係各位を責め立てるより、専門家や行政が指し示す、次善策を国民みんなで信じ、協力するしかないだろう。


以下、この時期に、不謹慎と思われる方もいるかもしれないが・・・あえて書く。

ちょっと気になることがある。

今回の震災での福島原発事故 現時点では、「放射線量 8217マイクロシーベルト(8.217 ミリシーベルト(mSV))/時間。この測定「ピーク値」をもって、単純胸部レントゲン写真との比較で安全性を説明されていることが多い。ここまでは結構なのだが、中には、CT検査を比較にして安全性をアピールするマスコミも存在している。


これは、比較対象がおかしい。CTに関してはご承知のごとく長くて数分で照射が終わるしろもの。故に時間あたりの放射線量にしたら、CTは数十倍になるだろう。CT検査自体、放射線リスクが高いものであるという認識が一般に欠けていることが今回の惨事でも明らかになってると私は思う。

そもそも、検査前に放射線被曝量明示すべき時ではないか!特に、肺癌検診時のCT放射線被曝量については・・・


H23.3.15 午前11時45分

上記ごとく書いたが、現時点で、”400ミリシーベルトの放射線量”という話も出てきている・・・

by internalmedicine | 2011-03-15 08:48 | 動脈硬化/循環器  

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