妊娠時吸入ステロイドは胎児糖質コルチコイド系への影響なし、母体への胎児性別・妊娠期により異なる影響
2011年 03月 18日
Fetal Glucocorticoid-regulated Pathways Are Not Affected by Inhaled
Corticosteroid Use for Asthma during Pregnancy
Nicolette A. Hodyl, Michael J. Stark, Annette Osei-Kumah, Maria Bowman,
Peter Gibson, and Vicki L. Clifton
Am. J. Respir. Crit. Care Med. 2011;183 716-722
【序文】吸入ステロイド (ICS) は、現在、母胎、胎盤、胎児系への全身的影響に関するエビデンスがないにもかかわらず、妊娠中のコントロールとしての使用を提言されている。
【目的】妊娠・喘息患者a (n = 156) と無喘息者 (n = 51)における、コーチゾル、エストリオール、コルチコトロピン遊離ホルモンの母体血中濃度
【方法】 妊娠各トリメスター中において、ICSの使用・投与量を記録し、血中サンプルを収集。超音波を18,30妊娠週に行い、出産時、生下時体重、胎児性別を記録する
【測定結果と主な結果】 母体ホルモン濃度は喘息の有無により影響を受けない。
しかし、ICSにより 用量依存的に、抑制される。
これは、胎児性別に依存し、女児妊娠時、第1トリメスターでは、ICSは母体のコーチゾルと逆相関し、第2、3トリメスターでは母体のオステオカルシンと逆相関する。
男児出産時、ICSは母体コーチゾル、エストリオール、オステオカルシン濃度に影響を認めず、しかし、コルチコトロピン遊離ホルモン値はICS使用とともに第1トリメスターでのみ増加する。
【結論】 母体の糖質コルチコイド抑制システムは、女児妊娠時のみ、ICSにより生じる。
しかし、男児・女児妊娠時ともに、胎児副腎機能はICSにより影響を受けない。
臨床的に重要な情報であり、ICSは、胎児期において、糖質コルチコイド調整系に影響を与えないということである。故に、胎児成長や発達に副作用をもたらすような数字ではない。
母体への影響・・・気になるのだが・・・フルテキストで確認必要なようだ。
by internalmedicine | 2011-03-18 08:52 | 呼吸器系