SIGNET:非経口投与患者に対するグルタミン酸、セレニウム補充効果 ほぼ否定だが、セレニウムに小明?

非経口投与重症患者で、グルタミン酸、セレニウムの効果、とくに新規感染症予防、死亡率改善効果を検討したもので、プライマリアウトカムは、第14日での新規感染症と死亡率を設定

SIGNET (Scottish Intensive care Glutamine or seleNium Evaluative Trial) Trials Group

結果は、ほぼ否定的なものだが、セレニウム5日以上投与群で包括的には影響を与えないものの、新規感染症減少の可能性があり、今後検討が必要となった。

Randomised trial of glutamine, selenium, or both, to supplement parenteral nutrition for critically ill patients
BMJ 2011; 342:d1542 doi: 10.1136/bmj.d1542 (Published 17 March 2011)

経口投与が感染症合併症のコスト・リスクの面から好まれる。胃腸機能障害を有する患者ではもちろん非経口などでは重要。どうしても非経口投与に頼らなければならない患者がいる。そのなかで、最近のシステマティック・レビューにより、グルタミン非経口投与により重症患者の死亡率減少 (リスク比 0.71 (95% 信頼区間 0.55 to 0.92))、 新規感染症減少 (risk ratio 0.76 (0.62 to 0.93))報告あり、セレニウム補給で、死亡率減少 (risk ratio 0.84 (0.67 to 1.05)) 報告あり。

結果は、セレニウム補給では新規感染発症に影響を与えず (126/251 v 139/251, odds ratio 0.81 (95% CI 0.57 to 1.15)
例外は、5日以上の投与の場合 (odds ratio 0.53 (0.30 to 0.93))

グルタミン酸に関しては新規感染症発症、5日以上投与の場合も包括的影響なし (134/250 v 131/252, odds ratio 1.07 (0.75 to 1.53)、odds ratio 0.99 (0.56 to 1.75))

6ヶ月死亡率は有意にセレニウム、グルタミン酸で差認めず (107/251 v 114/251, odds ratio 0.89 (0.62 to 1.29)、115/250 v 106/252, 1.18 (0.82 to 1.70))

入所期間、抗生剤投与日数、修正SOFAはセレニウム、グルタミン酸投与で有意な影響認めず


Flow of patients through the trial


死亡率




サプリメント・セレニウム中毒 2008-06-06

by internalmedicine | 2011-03-25 10:17 | 集中・救急医療  

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