”傷心”と ”感覚性疼痛”は 同じ脳の領域が働く
2011年 03月 29日
”失恋の痛み”、”心の痛み” ・・・ こういう表現は意味があったようだ
Social rejection shares somatosensory representations with physical pain
Ethan Krossa, Marc G. Bermana, Walter Mischelb, Edward E. Smithb,c, Tor D. Wagerd
PNAS March 22, 2011, 108 (12) March 28, 2011, doi: 10.1073/pnas.1102693108
社会的拒絶と身体的疼痛経験はどれくらい類似しているか?
社会的拒絶と身体的疼痛両者に関連して、情緒をサポートする脳の領域ネットワークと身体的疼痛の感覚成分は、ともに関連していないというのが現行研究結果が示唆するところ。
拒絶が協力に明らかに成ったときに、最近不本意な別離を経験したヒトに、拒絶された、かつてのパートナーの写真を見せて身体的疼痛の感覚領域 (二次性体性感覚皮質; dorsal posterior insula)が活性化することを示した。
fMRIを用いて、社会的拒絶と身体疼痛の間に同じ部位のオーバーラップがあることを示した。
活性化部位比較で、二次性体性感覚皮質とdorsal posterior insulaの活性の特異性は、500の出版研究データベース研究で示された。これらの領域の活性化は、身体的疼痛の診断的意味があり、88%のPPVを示す。
拒絶という心の傷が新しい意味合いを持つこととなり、拒絶と身体的疼痛は、落胆ということだけでなく、体性感覚発現を同じく示すことで同等という共通の意味ももつこととなった。
by internalmedicine | 2011-03-29 16:52 | 中枢神経