生活行動変容・健康予防治療のためのインタラクティブゲーム

日本って、ほっとけば後ろ向きな考えばかりになる。

先端をリードしてたはずのゲームの世界・・・気がついてみれば、他国の方の話題ばかりが目立つようになった。このあたらしいテクノロジーをより前向きに開発・利用していた人たちがいる一方、科学的根拠薄弱なのに、”ゲーム=悪”と水戸黄門のごとくラベリングして、足を引っ張ってる人たちがいる。

そういう後ろ向きにゲームをとらえてた医師たちも多いのではないだろうか?

JAMAのONLINE FIRST論説

Interactive Games to Promote Behavior Change in Prevention and Treatment
J. Leighton Read, MD; Stephen M. Shortell, PhD, MBA, MPH
JAMA. Published online March 29, 2011. doi: 10.1001/jama.2011.408 ExtractFree

テレビゲーム(ビデオゲーム)に深く没頭する状況を見ると、ゲームがユニークなパワフルなインタラクションとなることを評価するだろう。プレイヤーにとって、時間が止まり、自己意識が消失する。


Csikszentmihalyi は、この状態を、”flow"と表現する。
(Csikszentmihalyi M. Flow: The Psychology of Optimal Experience. New York, NY: Harper & Row; 1990.)

彼の概念は、山登りにたとえるなら登山の瞬間、外科医における繊細な厳しいタスク要求の瞬間とたとえることが出来る。今日のインタラクティブ・ゲームをやって幸せを感じるのと同じなのである。

ゲームはいまやメディアのうち大きな一を占め、動画産業よりも大きく、そして、性別、年齢、文化境界を越えて楽しまれている。
Zynga Inc. (Facebook game developer)は、ソシアルウェブサイト5億のうちの半数である2億1500万名のプレイヤーだと述べている。
(Zynga Inc Fact Sheet. Zynga Inc Web site. http://www.zynga.com/about/facts.php. Accessed February 26, 2011.)
ゲームをターゲットとした健康行動介入も増殖しつつあり、たとえば、 Humanaの提供するウェブベースのゲームは、食事・運動のための便利なものとなっている。
他のゲームはコンソール上で、携帯電話上でであり、従来のおもちゃ・ロボット・医学デバイスを含む伝統的プラットフォームは少ない。・・・
(中略)
健康アウトカムを目標としたゲームの作用の効果・メカニズムはまだはっきりしてない。sychomotor skill、判断、リーダーシップや共同という高レベルなソーシャルスキルを促進する娯楽ゲームに時間が消費される。
(Reeves B, Read JL. Total Engagement: Using Games and Virtual Worlds to Change the Way People Work and Businesses Compete. Boston, MA: Harvard Business Press; 2009.)。 しかし、メディアへの露出のようなネガティブな影響がこども健康への影響が問題であり、バイオレンスや攻撃性が特にテーマとなっている。
(Nunez-Smith M, Wolf E, Huang HM, et al. Media and child and adolescent health: a systematic review. Common Sense Media Web site. http://www.commonsensemedia.org/sites/default/files/Nunez-Smith%20CSM%20media_review%20Dec%204.pdf. 2008. Accessed February 26, 2011.)

成功する娯楽ゲームは、特性の理解に基づくもので、たとえば、目標への動機づけ、フィードバックシステム、ポイント、レベル、競争、チームワーク、トレーディング、時にアバターを用いた自己表現など、ナラティブな状況に基づくものだ。ゲームが健康目的として役立つなど目的とするものの範囲は、特定のオーディエンスのためのパッケージとして組み込まれていてそのスキルによるところがある。

今日まで、ゲームを評価する研究のエビデンスベースは限られていて、ごく少数の健康ゲームで積極的評価がなされているに過ぎない。
一つは1994年の任天堂ゲームである、Packy & Marlonで、1型糖尿病の特性を子供・青年にプレイさせて、血糖レベル、インスリン使用、食事選択を学ばさせるもの。6ヶ月後、プラセボ対照研究で、77%ほど糖尿病ED受診や予定外受診を減少させた( Brown SJ, Lieberman DA, Germeny BA,  Fan YC, Wilson DM, Pasta DJ. Educational video game for juvenile diabetes: results of a controlled trial. Med Inform (Lond). 1997;22(1):77–89.)。
4年次の学校ベースのコンピュータゲームはフルーツ野菜摂食を改善させた( Baranowski T, Baranowski J, Cullen KW, et al. Squire's Quest! dietary outcome evaluation of a multimedia game. Am J Prev Med. 2003;24(1):52–61.)。
さらに最近では、 Re-Mission という、癌の青年・若年者むけのゲームで、化学療法や治療プランへのアドへランス改善に関するランダム化トライアルでその効果が観られた(7. Kato PM, Cole SW, Bradlyn AS, Pollock BH. A video game improves behavioral outcomes in adolescents and young adults with cancer: a randomized trial. Pediatrics. 2008;122(2):e305–e317.
Wii Fit上のものを含む “exergames"、DDRダンスパッドプラットフォーム上のゲームは、身体活動性を増加させ、肥満治療に効果があることが示されている( Biddiss E, Irwin J. Active video games to promote physical activity in children and youth: a systematic review. Arch Pediatr Adolesc Med. 2010;164(7):664–672.)。
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(あたらしいテクノロジーが採用され・・・GPS技術利用によるもの、Accelerometerを利用した携帯電話端末など)
中には、無線ホットスポット経由のウェブへ、心拍や呼吸量測定センサーのデータをアップロードするゲームの評価を行う携帯電話やパソコン上のものが出来ている。たとえば、Zamzee は11-14歳のためのインライン利ワードシステムで、ポケットモニターを用いて運動量をベースにするもの。
Cornell Universityでは、Mindless Eating Challengeのゲームをpeer supportを行い、携帯電話写真でサイズや内容をチョックする試みが行われた。Columbia Universityでは、 Lit to Quitを検討し、禁煙をたばこを吸う代わりにiPhoneマイクロフォンを吸うという試みがなされ、2つのゲームバージョンでは、 “rush” or a “relax” を離脱症状時の手助けに用いた試みがんされた。

(”仮想現実”ゲーム・・・)センサーを介して、アクションがphysicalな世界と関連づけられる。たとえば、 Indiana Universityでは、インタラクティブミステリーゲームを学生に参加させ、食事・運動促進を謀った。
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Robert Wood Johnson Foundationは、Health Games Researchのプログラムを介してこれらのアプリケーションの積極的評価を促進し、ゲーム デザインエレメントがいかに異なる地理的・社会経済的な背景の人たちに効果を与えるかの研究促進を行っている。

加えて、行動変容ベースの膝窩以前のための新しいリソースが存在し、Affordable Care Act をパスした。
100億ドルで、疾患予防、健康促進似たいし次期5年計画のものである。
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by internalmedicine | 2011-03-30 10:12 | メディア問題  

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