気分の良いときは作業記憶低下する 記憶するときは悲壮な覚悟で?
2011年 03月 31日
これだけみると、常にポジティブな気分状態のやつって馬鹿?・・・って解釈できそうだが、仕事や学習にはその他の部分が働くわけで悲観的になる必要もないだろう。ただ、ひたすら、ものごとの記憶を詰め込む作業には悲壮な気分やつまらない気分でやった方が良さそうだ・・・(ホント?)
ビデオクリップを見せた前後で被験者の気分を検討し、おもしろいコメディー定番と、一方ではフローリングの仕方についての教育ビデオを視聴させる。ビデオ鑑賞後コメディー定番の方が気分としては良好。
で、作業記憶テストを行った。
このテストはヘッドフォンを通して被験者にいくつかの数字を1秒4つの速度で提示する。その後、記録停止後、順に最後の数字を聞く。コメディー定番を観て、気分良好な方は有意に、このタスクの成績が悪い。
もちろん、作業記憶ストレージへしまいこむ作業力が低下しているが、気分良好であることは、(その他の要素としては、)必ずしも悪いものではない。気分良好であることはクリエイティブな問題解スキルや思考観点を増加するのだから、違う要素が働く。
筆者らは、記憶容量に働く気分の影響は、教室の状況などのリアルタイムな状況で解析すべきだろうと、筆者ら。
journal Cognition and Emotionで報告
The influence of positive mood on different aspects of cognitive control.
Elizabeth Martin, John Kerns.
Cognition & Emotion, 2011; 25 (2): 265 DOI: 10.1080/02699931.2010.491652
Study 1:陽的な、あるいは、中立的気分で状況になったとき、被験者に記憶容量測定である、Running Memory Span (RMS)と prepotent response inhibition指標であるStroop taskを行った。
Study 2:RMS完遂、prepotent response inhibition測定、結果は、被験者が陽性の気分状態であるとき、RMSは悪化したが、Flanker taskは悪化せず。
この研究で、陽性気分は認知コントロールに様々な影響を与え、作業記憶に支障を与えるが、prepotent response inhibitionには影響与えない。
ストループ効果:http://www.saccess55.co.jp/kobetu/detail/stroop.html
by internalmedicine | 2011-03-31 14:52 | 動脈硬化/循環器