慢性腎臓病・たんぱく尿における血圧目標：たんぱく尿例のみ降圧目標さげるべき？

高血圧・慢性腎臓病（ＣＫＤ）患者への至適血圧目標は不明だが、最近の臨床ガイドラインでは、ＣＫＤでは、１３０/８０ｍｍＨｇ以下を、　非ＣＫＤでは１４０/９０が目標としている、これは心血管疾患リスクが大きく、
腎不全リスクが高いと思われているからである。

CKD患者の降圧目標として，CKD進行の抑制およびCVD発症リスクや死亡リスクの軽減の観点から，130／80mmHg未満が推奨される．特に尿蛋白が1g／日以上の場合には，さらに低い125／75mmHg未満を降圧目標とすべきである
http://minds.jcqhc.or.jp/stc/0067/1/0067_G0000189_0042.html

ＣＫＤとたんぱく尿における目標血圧による影響を具体的に検討した結果、eＧＦＲ（推定糸球体濾過量）指標のＣＫＤだけで、血圧目標を下げても意味がないということに？

Systematic Review: Blood Pressure Target in Chronic Kidney Disease and Proteinuria as an Effect Modifier
Ann Int Med. Mar. 15, 2011, 154 (6)

２２７２名、３つのトライアル

１４０／９０未満目標に比べ、１２５/７５～１３０/８０への降圧目標で、よりベネフィットが認められることはなかった。
低質エビデンスによると、血圧のより低いターゲットは３００ｍｇ/日から１０００ｍｇ/日異常のたんぱく尿サブグループでベネフィットが大きいとされた。
より降圧目標を厳しくすると、副事象イベントがやや増加した。