ミイラの動脈硬化病変: 古代から動脈硬化病変は存在した
2011年 04月 05日
動脈硬化は現代人だけの病気ではない。我々の祖先にも、動脈硬化病変は存在したのだ。
Atherosclerosis in Ancient Egyptian Mummies
The Horus Study
J Am Coll Cardiol Img, doi:10.1016/j.jcmg.2011.02.002 (Published online 3 April 2011)
52体の古代エジプトミイラ(Middle Kingdom から Greco-Roman)の全身マルチスライスCT
44体で心血管構造同定、20体で動脈硬化(動脈の本来のところに石灰化の存在場合を定義、n=8)
石灰化は、大動脈、冠動脈、頸動脈、腸骨、大腿骨、末梢下肢動脈に見つかった。
石灰化を有するミイラ20体は、動脈硬化なしで血管組織ありのミイラより死亡時より高齢(平均年齢 45.1 ± 9.2 歳 v 34.5 ± 11.8 歳, p < 0.002)
2体のミイラは、すべての動脈血管に石灰化ありの重症動脈硬化であった。
冠動脈動脈硬化明らかな2体のミイラのうち1体は、BCE1550から1580年に生存したプリンセス。
この所見はヒトの冠動脈石灰化として、最も古いものということになる。
2000年を越える、古代エジプトのどの時代でも、明らかな動脈硬化、確定的動脈硬化がミイラに存在した。
※上記論文フルテキスト閲覧可能、pdfダウンロード可能
by internalmedicine | 2011-04-05 14:17 | 動脈硬化/循環器