トロントARDSフォローアップ研究: ARDS後5年たっても脆弱性は残存

ARDS(成人呼吸窮迫症候群)後 5年経過、肺機能はほぼ回復するが、筋力脆弱性は残る

Toronto ARDS follow-up study

Functional Disability 5 Years after Acute Respiratory Distress Syndrome
N Engl J Med 2011; 364:1293-1304
April 7, 2011

109名のARDS生存者
ICU退出後3、6、12ヶ月後、2、3、5年後
受診毎にインタビューし、検査、肺機能検査、6MW、安静時・運動時オキシメトリー、胸部画像、QOL評価、
医療サービス利用

5年時点で、6MWは436m (予測値の76%)、and the Physical Component Score (Medical Outcomes Study 36-Item Short-Form Health Survey)は 41 (年齢、性別補正平均norm scoreマッチでは50)

このスコアの検討すると、若年者ほど回復が早いが、どのグループの肺機能予測値正常までは回復せず

肺機能はnormal-near-normalにとどまる

5年時点まで患者や世話をする家族に、他の様々な身体・心理的問題が生じたり、持続したりする

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より合併する疾病状態が多いほど、5年間コストは多くなる




ARDSとなったら、5年程度は呼吸機能、身体・心理的な評価に基づく医療介入が必要であろう。

by internalmedicine | 2011-04-07 08:47 | 呼吸器系  

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