NAGOYA HEART 研究: 糖代謝異常におけるARB v カルシウム拮抗剤比較

高血圧患者で、糖尿病・糖代謝異常のいずれかを伴う患者では、バルサルタン(ディオバン)、アムロジピンでも同様の臨床的アウトカムであったと日本の研究”という報告

しかし、このトライアル、実質はほとんどが2型糖尿病患者での検討、しかも、心不全入院比較というJIKEIやKYOTOでも問題になったソフトエンドポイント項目に差

また、議論になりそうだ。


心血管イベントのプライマリ複合エンドポイントはバルサルタン、アムロジピンで、3年フォローアップ成績同様の結果であった (9.4% versus 9.7%, P=0.97)と、名古屋大学の室原 豊明氏

しかし、心不全入院率減少はバルサルタン群で減少が示された (0.5% versus 2.6%, P=0.01)
(入院というアウトカム)

Primary source: American College of Cardiology
Source reference:
Murohara T, et al "Comparison between valsartan and amlodipine regarding cardiovascular morbidity and mortality in hypertensive patients with glucose intolerance (NAGOYA HEART Study)" ACC 2011; Abstract 3015-10.


ソース:http://www.medpagetoday.com/MeetingCoverage/ACC/25801

Irbesartan Diabetic Nephropathy Trial (IDNT Irbesartan Diabetic Nephropathy Trial)と同様の結果、同様な患者群であった。イルベサルタンとアムロジピンにおいて同様な心血管イベントであり、心不全減少率は同等。
ARB、ACE阻害剤は新規発症2型糖尿病を減少することは既知であり、心不全でのベネフィットも認められているので、糖尿病性高血圧患者ではARB/ACE阻害剤を第一選択、第二選択CCBである現行ガイドライン変更は必要ないと Murohara は述べている。

平均年齢 63で、ベースラインの血圧145/82 mmHg、多くが2型糖尿病(82%)で、残りがIGT
ベースラインHbA1c 7%

半数がバルサルタン160mg/日まで調整増加、半数が10mg/日まで調整増加。
フォローアップ中央期間3.2年で、血圧、HbA1cは量群で低下したが、群間差はない。

急性心筋梗塞・卒中・冠動脈インターベンション介入、心不全入院、心臓突然死、全原因死のプライマリエンドポイントの差は無く、副事象は同等。


結局、糖代謝異常じゃなくて、糖尿病患者での ARB v CCB比較になってしまっていると思う

by internalmedicine | 2011-04-09 09:23 | 動脈硬化/循環器  

<< ハロー効果: ”オーガニック”... OSCARトライアル:高用量A... >>