抗結核治療:固定用量合剤(FDC)の非劣性照明
2011年 04月 13日
新規診断結核のランダム化トライアルで、Lienhardtらは、リファンピシン、イソニアジド、ピラジナマイド、エタンブトールの固定用量レジメン8週間強化治療が、同薬剤別々の治療に比べ非劣性であることを示した。
Efficacy and Safety of a 4-Drug Fixed-Dose Combination Regimen Compared With Separate Drugs for Treatment of Pulmonary Tuberculosis
The Study C Randomized Controlled Trial
JAMA. 2011;305(14):1415-1423. doi: 10.1001/jama.2011.436
強化治療期間である初期8週間、4剤(RFP、INH、PZA、EB)をFixed-dose combinations (FDCs) として、あるいは別々に用いた場合の比較
FDC (n = 798 patients) or separately (n = 787)
治療アウトカムは、ランダム化後18ヶ月めの培養陰性化
非劣性が per-protocol解析で認められ、FDC 93.9%、separate-drug群では 94.6%
(risk difference, −0.7% [90% confidence interval {CI}, −3.0% to 1.5%])
model analysisでは、fdc 83.3% v separate-drug群では 84.8%(risk difference, −1.5% [90% CI, −4.7% to 1.8%]).
post-hocモデル2解析ではFDC 89.8% 、deparate-drug群では 91.0%
(risk difference, −1.2% [90% CI, −3.9% to 1.5%])
以前に結核の化学療法を受けたことのないすべての結核患者(HIV 感染者を含む)に国際的に承認された一次薬方式による治療を,生物利用率の知られた薬剤を用いて行わなければならない。この治療の初期相はイソニアジド,リファンピシン,ピラジナミドおよびエタンブトールを2 カ月間用いる。引き続く維持期ではイソニアジドとリファンピシンを4 カ月用いることが望ましい。代わりにイソニアジドとエタンブトールを6 カ月用いる方式もある。これはイソニアジド+リファンピシン方式を不規則に用いると多剤耐性になる危険性が大きいため,規則的な治療の確認が困難なときに用いられるが,治療失敗や再発の頻度が前者よりも高く,とくにHIV 感染のあるときにそうなので問題がある。
用いられる抗結核薬の用量は国際的な勧告に従わなければならない。薬剤の服用が見届けられないような場合には,2 剤(イソニアジド+リファンピシン),3 剤(上記+ピラジナミド),あるいは4 剤(上記+エタンブトール)の固定用量合剤(Fixed dose combination,FDC)の使用がとくに推奨される。
日本の場合:日本で標準的方式であるリファンピシンを全期間用いる6 カ月治療において,全剤感性の場合にはエタンブトールは不要であり,維持期においては全く必要がない(参考:Treatment of tuberculosis: guidelines for national programmes, 3rd ed., Geneva, WHO, 2003, WHO/CDS/TB/2003.313)。また固定用量合剤は日本では承認されていないが,結核治療の重要な方式として採用を考慮すべきである。これを利用することで単剤治療の危険性と投薬ミスを減らし,薬剤耐性の出現予防につなげることができる。また患者が服用する錠剤の個数を減らし,管理が容易になる利点もある。
www.kekkaku.gr.jp/mokuji/kekkaku/Vol.../Vol83No07P537-541.pdf
FDCにこだわる理由が分かる。だって、実地医療って、だまってればいいかげんなことするんだもん・・・
EB 6ヶ月投与しても、わたしは結核専門といいきるやつとか・・・
by internalmedicine | 2011-04-13 08:38 | 感染症