ICUにおける薬剤抵抗性細菌の伝播減少戦略: 結局は、医療従事者の清潔行為実践次第・・・・
2011年 04月 14日
18の米国内ICU前向きランダム化臨床トライアルにて、医療従事者のコンプライアンス不十分さ、推奨されている手洗いや手袋・ガウン使用を遵守しないことが、細菌の存在を確認するまでのタイムラグとともにこの結果の原因とされる。
Strategies to Reduce Transmission of Antimicrobial Resistant Bacteria in Intensive Care Units (STAR*ICU) clinical trialという名称のトライアル
培養サンプル同定を積極的に行うスクリーニングであり、キャリアかどうかは事前には不明。
結果的に、積極的介入群も、対照群も新規細菌や感染イベントに差は無かった。
そして、対照群・介入群の医療従事者たちは、手洗い、手袋・ガウン使用頻度が要求されている頻度より少なかった。
著者らは、これらの細菌の伝播減少のためには、隔離予防処置コンプライアンスの改善が必要で、身体の細菌の存在を減少する介入と環境的なコンタミネーション減少を減らす介入をともに行う必要があるとした。
Intervention to Reduce Transmission of Resistant Bacteria in Intensive Care
N Engl J Med 2011; 364:1407-1418April 14, 2011
集中治療室 (ICUs) は、MRSAやVREの伝播としては高リスク環境にある
cluster-randomized trialで、MRSAとVREコロナイゼーションのサーベイランス効果とbarrier precautions (intervention)の程度を、対照群としての既存医療行為と比較し、MRSAやVREのコロナイゼーション・感染を成人ICUで評価
サーベイランス培養はすべての参加ICU患者から入手。結果は、介入割り付けICUにのみ報告
介入ICUでは、MRSAやVREコロナイズ・感染患者をcontact precautionに割り付け管理
他のすべてのuniversal glovingを退室・サーベイランス培養が陰性になるまで施行。
6ヶ月介入期間のうち、10の介入ICU、5434入室あり、対照ICUは8つで3705の入室
コロナイズ・感染MRSAやVRE患者では対照ICUにくらべ介入ICUでより頻回にbarrier precautionとなる
(介入ICU群: contact precautionもしくはuniversal gloving時 ICU日数の92% [ contact precautionsの51% 、universal glovingの43% ] vs. 対照ICU の38% がcontact precaution, P<0.001).
介入ICUsにおいて、医療施設側は、清潔手袋・ガウン、手洗いを、barrier precautio割り付け患者の接触必要時よりその使用回数は少ない
contact precautionを特異化したとき、手袋使用は、接触時82%、接触時77%、接触時手洗いは69%となり、ユニバーサル手袋使用のときは、接触時手袋は72%に、接触時手洗いは62%になった。
100人日リスクMRSA・VREコロナイゼーション・感染における、平均(±SE) ICUレベル発症イベントは、ベースライン頻度補正後、有意に介入・対照ICUでも差がみられない(両群 40.4±3.3 、 35.6±3.7 ; P=0.35)。
by internalmedicine | 2011-04-14 10:41 | 感染症