肺炎球菌ワクチン後のセロタイプ置換 : その程度と影響
2011年 04月 15日
Serotype replacement in disease after pneumococcal vaccination
The Lancet, Early Online Publication, 13 April 2011
7価肺炎球菌結合ワクチン (PCV7) により肺炎球菌疾患減少させ、公衆衛生的重要なインパクトを与えている。92を越える肺炎球菌セロタイプのうち7つのみワクチンのターゲットとなってるわけだが、これ以外のセロタイプに対する関心が向けられつつある。すなわち、非ワクチンセロタイプ( non-vaccine serotypes (NVTs) )がその頻度を増加させ、ワクチンのベネフィットを低下させるのではないかという疑念。
無症候性キャリアにおける、NVTの頻度が増加し、さらに増加し続けているが、ネットの細菌キャリア頻度は変わらないか、ごくわずか。NVTによる肺炎球菌症は増加しているが、多くはNVTキャリアの増加よりその増加率は少ない。

キャリアや疾患の場合にセロタイプの置き換えが存在しているのか、また、サーベイランスバイアスがこれらの知見に影響されてるかレビュー。ほぼ完全にキャリアでは置換されてるのに、疾患では部分的にしか置換されてないそのdiscrepancyについて理由付け可能性を議論している。
疾患のセロタイプ置換の程度が関与し、一部、セロタイプがより低侵襲度のものに置き換わり、ワクチン前のキャリアデータのバイアス(unmasking)が存在し、また、疾患サーベイランスシステムのバイアスがあり、そのため、セロタイプの置換総量を過小評価している可能性がある。
by internalmedicine | 2011-04-15 12:04 | 感染症