JUPITER: LDL<50mg/dL未満へのさらなる強化療法でベネフィット改善という報告 ← 半分詐欺
2011年 04月 18日
The JUPITER Trial (Justification for the Use of Statins in Prevention: an Intervention Trial Evaluating Rosuvastatin)
J Am Coll Cardiol, 2011; 57:1666-1675, doi:10.1016/j.jacc.2010.09.082
一次予防におけるスタチン使用正当化の新しい研究
JUPITERトライアルで、主要心血管イベントリスクをもたらすに、極低レベルのLDLコレステロール達成の群でよりリスクが少なかったという報告
高hs-CRPレベルの対象者で、LDL-cho <50mg/dLでは、クレストール治療により、心血管イベントを65%低下させ、総死亡率を46%減少させると、いままでの包括的コホートより、大きな効果が示された。
重要なのは、極低LDLに達した場合、リスクの増加はみられないこと。
統計学的有意差はないが新規糖尿病発症がより多くみられる。
この報告で一次予防を支持推奨とするにはちょっと無理があるのでは!
100人年で比較、しかも、相対的比較のRRRを使用するという・・・今時、通用しない比較。
ARR/NNT換算すると・・・”クレストール割り付け群でLDL-C < 50mg/dl到達群は心血管リスクがより低い”という結論はかなり怪しい。
100人年 プライマリエンドポイントだと、プラセボ、LDL<50未到達クレストール投与群、到達クレストール投与群で、1.18, 0.86, 0.44 。
100年間クレストールを飲み続けるといったいコストいくら?現時点で5mg錠で、1日148.1円 1年で5万4千円超・・・しかもより低値を目標としているので数倍のコストがかかる。
その差は、100年投与続けて、(1.18-0.44=)0.66である。
hs-CRP測定やLDL採血頻回となると、そのコストもうなぎ登り・・・
要するに、コストを無視した、非現実的な解釈を導入して、スタチン一次予防を正当化してるとしか思えない詐欺的報告だと私は思う。
タイトルに偽りあった、真性詐欺が正しい。
by internalmedicine | 2011-04-18 10:05 | 動脈硬化/循環器