現実社会で、薬物的予防は、通用するのか? ランダム化トライアルであやつられる薬事行政と現実のギャップ

住民レベルでみた、スタチンの一次予防ってインチキくさいけど、ビスフォスフォネートってもっとインチキくさい・・・というか、インチキでしょ。臨床トライアル中は、効果の出やすい対象に限定して治験、結果解釈は、拡大解釈し、マーケットを広げようとする・・・いんちき。


The true cost of pharmacological disease prevention
BMJ 2011; 342:d2175 doi: 10.1136/bmj.d2175 (Published 19 April 2011)



スタチン、降圧剤、ビスフォスフォネートなどの薬剤による予防的使用が広がってるが、金銭的コストに見合うだけの価値があるか、その確たるエビデンスはないと・・・Teppo Järvinenらは論じている。
大規模ランダム化トライアルは、特定の介入が働くかを評価したものでエビデンスとして協力と考えられているが、大規模多施設ランダム化トライアルは現実には正確に、リアルワールドにおける住民を反映したものではない(BMJ2010;340:c1066.)。

最近、van Staa らは、選択的cyclo-oxygenase-2 (COX 2) inhibitorにおけるランダム化トライアルを代表とするデータと観察された臨床データを用い、コスト効果に関する外的信頼性評価を行った。このトライアルデータで、一人の胃腸障害イベントを避け、通常のNSAIDsからスイッチしるためのコストは、約2万ドル(£12 500; €14 000)とされた。同様な解析が UK’s General Practice Research Databaseで行われたときは、消化管出血を予防するコストはその5倍 ($104 000)(PLoS Med2009;6:e1000194.)。そのため、著者らは、COX 2阻害剤のコスト効果解析は外的信頼性や臨床治療患者に対し適応できないと主張、結論づけた。

治療方針や医療の場で適応する場合、コスト効果解析のための外的評価が是非必要。




● Efficacy versus effectiveness
 efficacyのエビデンスは、それが臨床の場で使用されるのに適切かどうか評価する第一段階に過ぎない。何故なら、ランダム化トライアルは、慎重に診断され、評価イベントリスク特性が注意深く明確化あれたケースであり、重症の病態を合併せず、治療へのadherenceが良好な対象者に限られるからである。efficacyがそのまま、臨床の場に適応されると考えるのは大間違い。
地域での治療のeffectivenessは、少なくとも次の5つの要素により影響される
・既に治療下にある人たち
・診断の正確性
・医療側のコンプライアンス
・患者adherence
・医療サービスのcoverage


たとえば、ランダム化トライアルの住民特性、年齢・性別などは一般的にかなりばらつきがある。


また、誤診(偽陽性、偽陰性)は多く、そのため、治療効果を希釈する。
また、研究外の医療者はコンプライアンス遵守性我十分でなく、忠実でない。
さらに、他薬剤が対症薬治療の効果に影響を与える。
最も重要な要素は患者の現実世界でのコンプライアンスであり、半数が処方されてないのが普通で、トライアルでの90%コンプライアンスとは随分開きがある。


● Effectiveness of preventive drugs
このように、理想社会と現実環境のギャップがあることで、予防薬が現実社会でどのようにはたらくのか疑問を呈さざる得ない。スタチン、降圧剤、ビスフォスフォネートなどコスト効果のある重要な予防薬に関して、effectivenessにかんして信頼できるデータが無く、特に、cost effectivenessに関してそれがない。
データ不足にかかわらず、ガイドラインや推奨では予防薬とされる。

ビスフォスフォネートの例で解説

特定の女性住民(骨粗鬆症・骨折既往 65-80歳)での股関節骨折の有意な減少があるが、80歳以上の、最も典型的な骨折の起こりやすい年齢群やナーシングホーム居住者でのデータがない。
そして、骨粗鬆症は主に女性の疾患と考えられるが、加齢関連骨折は高齢男性が40%をしめる矛盾。
これにかかわらず、ビスフォスフォネートのcost effectivenessの現行解析はすべて、高齢者全員にユニバーサルに骨折リスク減少すると見なされているペテン。



フィンランドの1年の股関節骨折データ
ランダム化トライアルのクライテリア合致のみにefficacy dataを適応し、 ビスフォスフォネートが32%股関節骨折減少させると仮定した場合、骨折を わずか343(4.6%)に減少させるに過ぎないこととなるという限られた効果しかないことが示された。


● Policy decisions
(本来有るべき、薬事行政について)



全国で広く行われてるのが、製薬メーカー御用講師たちによる、ばかな臨床医たちへの洗脳講演会。スポンサーの意志にそったいんちき講演。マウスの知見を元にして、だまくらかしてたのが、徐々に、臨床トライアルの羅列による洗脳に手法は変わりつつある。これに、異論を唱えれば、変わり者とされ、無視され、ちんけな御用講師により聴衆の面前で馬鹿扱いされる・・・スポンサー付きの講演会ってだんだん出たくなくなるんだよなぁ、特に、高血圧・糖尿病関係・・・。

とにかく、自分で身銭切って、労力をおしまないと正しい情報はえられないものと、医者たちは自覚が必要だ。

でないと、製薬会社のロボット!





医療界にも、熊取六人衆 が必要。

政府・経済産業省 ;政府・厚労省
東電 ;製薬会社
御用学者 ;御用講師・学者
学会 ;学会・医師会

by internalmedicine | 2011-04-22 09:43 | くそ役人  

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