State of the Art : 高血圧患者の左室拡張機能障害

高血圧患者の拡張機能評価としては、
・ ”ratio between transmitral E velocity”
・ ”pulsed tissue Doppler–derived early diastolic velocity (E/e′ ratio)”
この2つが、当面スタンダードということだろう。

State of the Art
Diagnosis and Management of Left Ventricular Diastolic Dysfunction in the Hypertensive Patient
American Journal of Hypertension 24, 507-517 (May 2011)


左室拡張[機]能障害( left ventricular (LV) diastolic dysfunction (DD))は高血圧により、心筋線維化及びLV geometryの変化による心不全への進展に関し、拡張期異常を来す状態となる。弛緩と充満の変化をもたらし、心腔収縮機能の変化に先行し、駆出率が正常でも心不全の症状を来すこともある。
正常駆出率である心不全(heart failure with normal ejection fraction:HRNEE)の頻度は時間とともに増加するが、死亡率は不変のまま。このことから、高血圧患者のDDとHFNEFの診断、予後、治療マネージメントが公衆衛生上の問題となっている。
DDは無症状であり、ドプラー心エコーで偶発的に見いだされることもある。このツールはDDの診断として重要なポジションとなった。
拡張期機能の包括的評価はDDの単純な分類でのみ行われるべきではなく、 左室充満圧(LV filling pressure (FP))推定、症状・予後という真実の決定要素で行われるべき。
これも、異なるエコー上のmaneuver/toolでなされるが、 ”ratio between transmitral E velocity” と ”pulsed tissue Doppler–derived early diastolic velocity (E/e′ ratio)”が最も適切で、正確である。左房拡大の同定は、どの程度で有効化は不明。
高血圧患者でのDDのマネージメント推奨としては降圧治療、それと、左室容積、左室geometoryの正常化を主眼とすべき。
これらのアプローチが良好な予後をもたらすか、定義明確なエントリークライテリアの前向き研究が必要。

by internalmedicine | 2011-05-09 08:48 | 動脈硬化/循環器  

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