CT肺動脈造影は診断頻度を増やしたが、死亡率など改善効果は少ない
2011年 05月 10日
頻度は増加したが、致死率の変化は少なく、症例致死率減少も比較的少ない。
テクノロジーの発達により診断率は上がったが、有害性をもたらす過剰診断は増えた、故に、過剰診断有害性を最小化することが今後の課題である。
Time Trends in Pulmonary Embolism in the United States: Evidence of
Overdiagnosis
Renda Soylemez Wiener; Lisa M. Schwartz; Steven Woloshin
Arch Intern Med 2011;171 831-837
CT肺動脈造影(CTPA)は生命危機状態の肺塞栓検出向上に役立つが、この感度の高い検査は、過剰診断、過剰治療の負の側面を有する。
”Nationwide Inpatient Sample and Multiple Cause-of-Death database”を用いてtime trend analysisを行い、年齢補正頻度、死亡率、治療合併症検討
肺塞栓頻度はCTPA前後は不変(P = .64)だが、CTPA後は増加(81% 増加, 10万対 62.1 → 112.3 ; P < .001)
肺塞栓死亡率は両期間で減少、CTPA前(8% 減少, 10万対 13.4 → 12.3; P < .001) 、CTPA後(3%減少, 10万対 12.3 → 11.9 ; P = .02)
症例致死率は以前にはやや改善(8% 減少, 13.2% → 12.1%; P = .02)したが、後は確実に減少(36% 減少, 12.1% → 7.8%; P < .001)
CTPAは肺塞栓抗凝固療法合併症と考えら得る例は増加しており、合併症率は安定(P = .24)しているが71%ほど増加している(10万対 3.1 → 5.3 ; P < .001)。
”より新しい検査機器は必ず死亡率を下げ合併症も軽減するに決まってる”という思い込みがCTに限らずPETやMRIなどの新しい検査機器を受けたいという一般の希望を呼び起こし、無駄な検査をもたらし、エビデンス的に疑問のある検診がなされる。
上記論文、凝固・線溶マーカーなどの診断についての、time-trendどの程度斟酌されているか疑問。肺塞栓に関しては、CTPAだけで診断することってあまりなされてないわけだし・・・
by internalmedicine | 2011-05-10 08:39 | 動脈硬化/循環器
