tele-ICU:遠隔地医師provision ICUによりアウトカム・死亡率・滞在日数改善
2011年 05月 17日
これにより患者のアウトカム、死亡率、入院滞在日数減少につながったとJAMA誌掲載論文
Hospital mortality, length of stay, and preventable complications among critically ill patients before and after tele-ICU reengineering of critical care processes.
Lilly CM, Cody S, Zhao H, et al., for the University of Massachusetts Memorial Critical Care Operations Group
JAMA.doi:10.1001/jama.2011.697.
何をどのようにモニタリングして、介入に役立てたかが問題
・ベッドサイド・モニタリングアラーム
→生理的指標傾向レビュー、異常検査値アラーム、アラームに対する対応レビュー、オフサイトチーム・ラウンド
・日々のゴールシート
→nonadherence電子的検知、リアルタイム監査、看護マネージャー監査、チーム監査
・在宅スタッフ・affliate practitionerによる電話症例レビュー
→ 電子カルテ・画像診断・インタラクティブな音声・動画、看護師・呼吸療法師との相互、治療反応評価を含む集中治療専門家主導のワークステーション・レビュー
在院死亡率は、介入前 13.6% (95% 信頼区間 [CI], 11.9%-15.4%)、介入後 11.8% (95% CI, 10.9%-12.8%) (補正オッズ比 [OR], 0.40 [95% CI, 0.31-0.52]).
tele-ICU intervention period は介入前に比べ、深部静脈血栓医療行為asherence率が高まった(99% vs 85% ; OR, 15.4 [95% CI, 11.3-21.1])、同様に、褥瘡予防 (96% vs 83%, ; OR, 4.57 [95% CI, 3.91-5.77] 心血管予防best practice adherence (99% vs 80%, ; OR, 30.7 [95% CI, 19.3-49.2])、人工呼吸関連肺炎予防 (52% vs 33% ; OR, 2.20 [95% CI, 1.79-2.70])
予防可能合併症率低下
・人工呼吸関連肺炎 1.6% vs 13% [OR, 0.15; 95% CI, 0.09-0.23]
・カテーテル関連血液感染 0.6% vs 1.0% [OR, 0.50; 95% CI, 0.27-0.93])
・入院期間短縮 (9.8 vs 13.3 日間; 退院ハザード比, 1.44 [95% CI, 1.33-1.56])
内科的、周術、心血管ICUでも同様
前後比較論文で、エビデンス・ヒエラルキーとして最低に近いのでは?
ただ、日本における、政治家や経済系の評論家がいう、単なる電子機器導入で、医療の無駄がはぶける・・・などという戯言よりはましで、アドヒアランス改善などの現象が記載され、説得力はある。
コストに関してほとんど語られてないのも・・・やり方によっては、かえって高額になるかもしれない。
日本でも、”ICU医の不足”も問題になってるが、このtele-ICUが話題になるかもしれない。
一挙解決できる夢のようなアイディアではなさそう・・・
by internalmedicine | 2011-05-17 08:47 | 集中・救急医療