老人は毎年インフルエンザワクチンをうけましょう

つい昨日のことですが、インフルエンザ・ワクチンに関して、「去年受けたんだけど、今年もうけていいのですか?」と予想外の質問・・・「毎年、受けないと抗体が消えちゃうんで、終生免疫を受けるワクチンとはちがうんですよ」って答えましたが、毎年受けることはそれ以上の働きがやはりあるようですね。


Annual Revaccination Against Influenza and Mortality Risk in Community-Dwelling Elderly Persons
http://jama.ama-assn.org/cgi/content/abstract/292/17/2089
JAMA. 2004;292:2089-2095.
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26071名のポピュレーションのうち、3485名がフォローアップ中に死亡。
初回ワクチン後死亡リスク10%減少?(HR 0.90 95%CI 0.78-1.03)
再ワクチン後死亡率は24%減少(HR 0.76 95%CI 0.70-0.83)
ワクチンが初めてな場合に比較して、1年死亡率は15%減少(0.85 95%CI 0.75-0.96)
流行時期では、28%減少(HR 0.72 95%CI 0.53-0.96)
70歳以上の老人では慢性疾患合併症の有無にかかわらず同様なことが推定された。
総合的には、ワクチンカバー率64%-74%のときに、インフルエンザワクチンは302ワクチン接種者ごとに1名の死亡を回避できる。
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今年はワクチンを余らせると市中引き回し・・・の上、病院名公開されるので、ワクチンをあまらせないように少量しか入荷しない医療機関も多いとか・・・・・
役人の考えることはいつも逆効果ですなぁ・・・・
http://intmed.exblog.jp/m2004-07-01#561367


米国のインフルエンザワクチン供給は大統領選挙のテーマのひとつにもなりましたが、老人にとって死活問題です。

by internalmedicine | 2004-11-03 10:16 | 呼吸器系  

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