WHOのワークグループ 携帯電話の発がん性認める

”携帯電話と膠芽細胞腫の関連をWHOのワークグループが認めた”・・・ということには一定のインパクトがあるとのこと

携帯電話の電磁波で発がん性と指摘 

携帯電話の電磁波にがん危険性も。限定的ながら神経腫瘍などの可能性とWHO組織が初の指摘。 2011/06/01 06:18 【共同通信】


medpage(http://www.medpagetoday.com/PublicHealthPolicy/PublicHealth/26776 )
WHOのワークグループが、携帯電話によるEMFの発がん可能性を公表。
リオン(フランス)の International Agency for Research on Cancer (IARC)会合後公表され、14日か億31名の科学者が、携帯電話使用とglioblastomaのリスク増加関連の十分なエビデンスがあると報告。
電磁波を発がん物質としてIARCのグループ2Bへ分けるかどうかはまだ十分なエビデンスはないとしている。グループ2Bには、フェニトインやフェノバルビタールなどの抗けいれん薬やprogestinなどが含まれる。


ワークグループの長である、Jonathan Samet, MD ( University of Southern California)は、  "evidence, while still accumulating, is strong enough to support a conclusion and the 2B classification"(累積中ではあるが、結論と2B分類を補強する十分なエビデンス)と述べている。
携帯電話とがんリスクの関連をより綿密に関しすべきとも述べている。
ヒトへの発がん性が考えられるグループ2への分類には、概日リズムの変化をもたらすシフト労働や高温の揚げ物が含まれる。ベンゼン、6価クロム、マスタードガス、日光照射、他の放射性物質などが発がん物質のトップであるグループ1と分類され、”発がん性に対する十分なエビデンスがある”という分類である。

WHOワークグループは、がんとマイクロ波エネルギーに伴う環境・職業暴露との関連のエビデンスに関しては十分なエビデンスがあることは認められてない。
昨年報告の、政府と企業共同スポンサーのInterphone study、がんと携帯電話に関する大規模登録研究では、会話時間とglioblastomaの関連は結論づけられなかった。使用時間が最も長いと、(リスクの)有意な増加はあったが、研究者は使用時間との関連は認めがたかったという報告であった。加えて、携帯電話使用のカテゴリーに関するオッズ比はprotectiveでさえあった。

携帯電話依存のfMRIの研究、National Institute on Drug Abuse で、携帯電話使用は、アンテナに近い脳の部分でぶどう糖代謝に影響を与えることが分かっている。臨床的重要性は不明だが無線周波数電磁界に脳がsensitiveであることのエビデンスは存在する。
...(略)


抗てんかん薬を対照にして説明しているが、”放射線被曝におけるCT被曝量比較”と同様、奇異な感じがする。放射線被曝と同様、電磁波被曝量は少ないほどよいに決まってる(ホルミシス・エビデンス懐疑的&無閾値線形の立場として・・・)。その上で、ゼロリスクという現実的選択肢がないのなら、それを踏まえた上での基準作りが必要だろう。脳膠芽腫への影響は生涯照射リスクを考えれば子供・若年者ほど甚大となるだろう。それらの層へは配慮が必要と思う。防犯は別方法を十分配慮することを前提に、”携帯端末”依存に陥りやすい小児・青年であり、この世代には携帯電話は原則持たせない方が良いと思うのだが・・・



この時点で、”携帯電話のがん発症リスク WHOの専門組織、初めて認める”を報道した日本のメディア、NHK、日本経済新聞、共同通信、時事通信、IBTimes、CNN japan、WSJ日本版

日経以外の記者クラブ軍団”朝日・読売・毎日・産経・・・”など、報道せず スポンサー配慮?


CNN(http://www.cnn.co.jp/world/30002926.html)が詳しい

・・・発がんの危険がある物質の一覧表には、鉛、エンジン排気、クロロホルムなどと並び、携帯電話の利用を掲載した。・・・帯電話利用を分類するに足る根拠はあると判断した。・・・携帯電話を利用すると、脳腫瘍の一種である神経膠腫(こうしゅ)や聴神経腫瘍へのリスクが増えることはある程度実証されていると判断した。・・・・携帯電話から出る電磁波は非電離放射線と呼ばれ、X線とは異なるが、非常に出力の弱い電子レンジのような働きをする。・・・ロサンゼルスの病院に勤務する神経学の専門医キース・ブラック氏は「マイクロ波が放射されると、電子レンジの中の食品と同様に、言ってみれば脳が調理される」「がんや腫瘍ができるだけでなく、携帯電話を当てる部分には記憶を保持する側頭葉があるため、認識記憶機能などにも影響が及ぶかもしれない」と解説する・・・WHOの発表に対して携帯電話業界は同日、「携帯電話ががんを引き起こすという意味ではない」との見方を表明した。携帯通信業界団体のCTIAは「(WHOの研究者は)何も新しい研究を行わず、発表済みの研究を見直したにすぎない」と批判している。携帯電話の健康リスクをめぐっては、欧州環境庁(EEA)も既に、喫煙、アスベスト、有鉛ガソリンと同様に危険が大きい可能性があるとの見解を打ち出している。携帯電話メーカーの中にも、端末を体から離して使うよう助言しているところは多い。アップルのスマートフォン「iPhone 4」の安全マニュアルには「携帯電話ネットワークを使って通話やデータ通信を行う際は、iPhoneを体から少なくとも15ミリ離した状態を保つ」と記載されている。ブラックベリーもユーザーに対し、「通信を行っている際は、ブラックベリー端末を体から少なくとも25ミリ離した状態を保つ」よう助言している。

by internalmedicine | 2011-06-01 09:28 | 環境問題  

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