FDAはARBsの発がん性否定の発表・・・だが、疑念はくすぶる

降圧剤ARBと肺がんとの関係 25%増加? 2010年 06月 16日
Sipahi I, Debanne SM, Rowland DY, et al. Angiotensin-receptor blockade and risk of cancer: Meta-analysis of randomised controlled trials. Lancet Oncol 2010; 11:627-936.

 
上記報告に端を発した疑惑 FDAは、ARBsはがんリスクを及ぼさないと結論
FDA Drug Safety Communication: No increase in risk of cancer with certain blood pressure drugs--Angiotensin Receptor Blockers (ARBs)
http://www.fda.gov/Drugs/DrugSafety/ucm257516.htm


だが、Siapahiは不満を述べており、レビューであり、患者レベルではその疑惑を示せてないと主張しているらしい。"open process"を欠き、ARB類の蓄積的影響を無視していると述べている。
ほぼ1年以内の分析でありトライアルのデータばかりで結論を導き出していると不満を述べ、patient-levelのデータに欠いていると主張。


FDA review concludes: No cancer risk with ARBs
June 2, 2011 | Shelley Wood
http://www.theheart.org/article/1234673.do



なんだか、FDAの結論って、唐突な感じが否めない。


ARBの臨床結果はクリアカットなものが少ないと感じる。
日本の大規模研究でも、プライマリアウトカム設定の問題、ハード・ソフト問題などもあり、議論が盛んなようだ。そして、最近は、”OSCARトライアル:高用量で必ずしも心血管イベント改善せず・・・糖尿病は別?”やら”アルドステロン・エスケープ”など・・・当初考えてたほど、副作用が少ないわりに万能な降圧剤って訳ではなさそう・・・というイメージが

by internalmedicine | 2011-06-03 15:26 | 動脈硬化/循環器  

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