ヨーロッパ・一部アジア自殺率検討:剖検率の違いで影響がでる
2011年 06月 07日
死因統計の信頼性を、国別剖検率、誤分類の可能性をヨーロッパから北アジアまで35ヶ国の国家間比較
Declining Autopsy Rates and Suicide Misclassification: A Cross-national
Analysis of 35 Countries
Nestor D. Kapusta et. al. Arch Gen Psychiatry Published online June 6, 2011.
doi:10.1001/archgenpsychiatry.2011.66
横断的に、剖検率1%違えば、人口10万人あたり0.49の自殺率の差が生じる。
長軸的に、剖検率1%減少で、自殺率人口10万人対 0.42減少する。
失業率補正、都市化、死因不明・明確な死因比率補正で横断的・長軸的相関が十分にみられる
19EU諸国データではよりこの関係が明確と成る。
結論としては、剖検率が地域的・一時的に死亡率統計の信頼性に影響を与え、国際比較上注意が必要である。
遺体解剖率、微増の11・2% 10年警察庁まとめ
2010年中に変死などで全国の警察が扱った遺体の総数は17万1025体(09年比1万167体増)で、死因究明のため1万9083体について司法・行政解剖を実施していたことが3日、警察庁のまとめで分かった。解剖率は09年から1・1ポイント増加し、11・2%だった。
遺体発見時に検視を専門とする刑事調査官(検視官)が現場に立ち会った「臨場」率は09年から7・5ポイント増の27・8%。08年の14・1%からほぼ倍増した。警察庁幹部は「検視官増員に加え、一件でも多く検視官が現場に行き、疑わしい遺体はできるだけ解剖を実施するよう指導した結果」としている。
各都道府県警の中で解剖率が高かったのは、いずれも行政解剖を行う監察医制度がある神奈川34・5%、兵庫22・0%、警視庁の19・1%。
低かったのは広島の1・2%、鹿児島2・0%、岐阜2・6%だった。
警察庁は、自殺や事故として処理した後に殺人事件などの被害者だったことが明らかになる「見逃し」事案を防止するため、より精度の高い死因究明制度を検討する有識者の研究会を設置。
研究会は10年7月、5年後をめどに全国の検視官を3倍にすることや、警察の取り扱う全遺体の薬物反応調査を提言しており、3月にも最終的な取りまとめを発表する予定。
2011/02/03 10:14 【共同通信】
http://www.47news.jp/CN/201102/CN2011020301000185.html
調べてみると、日本では、剖検率の低い県である、広島(13)、鹿児島(21)、岐阜(20)は、自殺率都道府県比較では、中位となっている。
by internalmedicine | 2011-06-07 08:52 | 医療と司法