現行の不眠診断ツールの再現性や信頼性検討
2011年 06月 07日
Testing the Reliability and Validity of DSM-IV-TR and ICSD-2 Insomnia
Diagnoses: Results of a Multitrait-Multimethod Analysis
Jack D. Edinger et. al.
Arch Gen Psychiatry Published online June 6, 2011.
Multitrait-multimethod correlation design研究で、2つの大学医学センターの共同研究(2004年1月から2009年2月まで)、被験者は352名の成人ボランティア(235名が女性)で、不眠症の診断クライテリアに合致した症例
10の DSM-IV-TRと 37のICSD-2不眠症診断の適合度の評価 Goodness-of-fit rating
3名の臨床医ペアでrating評価行い、相関性を個別内・個別差ペア比較
best-supported DSM-IV-TR不眠カテゴリは、他のメンタル疾患関連の不眠、病的状況での不眠、睡眠関連呼吸器疾患、概日リズム睡眠疾患による不眠であった。
原発性不眠のカテゴリーは再現性・信頼性においては境界的評価しかなかった。
best-supported ICSD-2カテゴリはメンタル疾患による不眠、病的状況での不眠、閉塞型無呼吸、むずむず脚症候群、特発性不眠、概日リズム睡眠疾患(睡眠周期遅延型)による不眠であった。
心理生理学的不眠と不適切な睡眠環境(衛生)は横断的にばらつきがあり、「逆説性不眠症」(paradoxical insomnia :眠ってるのに寝てないと主張 )に関してはサポートされてない状況である。
DSM-IV-TRとICSD-2の不眠診断に関してばらつきがみられるが、選択されたサブタイプではその有用性は支持されている。原発性の不眠のDSM-IV-TR診断はよくなされており、関連するICSD-2 subtypeは、サブタイプ合併にともなうオーバーラップなど再現性・信頼性乏しいと思われる。
代替的な診断パラダイムが不眠分類で必要。
不眠診療 2009年 11月 09日
by internalmedicine | 2011-06-07 10:01 | 精神・認知