安定している冠動脈疾患にACE阻害剤は価値無し
2004年 11月 08日
#糖尿病の腎症予防に関しては別だし、誤嚥性肺炎予防などの効果も・・・
PEACE Trialの速報はAHA meetingのpresentationの都合上速報らしい
Angiotensin-Converting-Enzyme Inhibition in Stable Coronary Artery Disease
www.nejm.org November 7, 2004 (10.1056/NEJMoa042739)
平均年齢64±8、平均血圧133±17/78±10 mm Hg、平均左室駆出率58±9%
強化療法を受けた患者で、72%冠動脈revascularizationを受け、70%脂質低下療法。
プライマリエンドポイントである、冠動脈血管原因死、心筋梗塞、冠動脈revascularizationの頻度はtrandolapril群で21.9%、プラセボ群で22.5%(HR 0.96 95%CI 0.88-1.06:P=0.43)でメディアンフォローアップ期間4.8年
安定期冠動脈疾患で、左室機能が保たれて、“現在のスタンダードな治療”をうけて折り、心血管イベント率がACE阻害剤のトライアルで報告されているリスクより血管疾患リスクが低い場合ACE阻害剤を加え、心血管原因死、心筋梗塞、冠動脈revascularizationという意味ではさらなるベネフィットはない。
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HOPE(The Heart Outcomes Prevention Evaluation)トライアルでは、既知の心血管疾患患者、心疾患を持たない糖尿病や他の心血管リスク患者でも同様にramiprilの有効性、死亡率減少・合併症減少を示した。
EUROPA(the European Trial on Reduction of Cardiac Events with Perindopril in Stable Coronary Artery Disease)では、血管疾患を有する患者ではACE阻害剤は心血管疾患を有するものだけに治療対象と変わってきており、心不全なし、左室駆出率低下のない患者では適応に疑問が生じてきていた。
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by internalmedicine | 2004-11-08 16:19 | 動脈硬化/循環器