ビタミンDの免疫系作用: 歯肉上皮細胞において、内因性抗菌作用増強
2011年 06月 18日
ビタミンDは、歯肉の細菌感染から守る働きがあるのではないかと・・・
Vitamin D-Mediated Induction of Innate Immunity in Gingival Epithelial Cells.
L. McMahon, K. Schwartz, O. Yilmaz, E. Brown, L. K. Ryan, G. Diamond.
Infection and Immunity, 2011; 79 (6)
ヒトの歯肉上非細胞(GEC)はβ-defensinやcathlicidin LL-37のようなペプチドを産生する。これらは抗菌的、かつ、自然免疫系の調整に働く。骨髄・気道上皮細胞において、ビタミンD3活性型[1,25(OH)2D3]はLL-37の発現及び抗細菌活性を増加させる。
ビタミンDの歯肉上皮自然免疫防御活性への影響を検討するため、培養上皮細胞に10-8 Mの1,25(OH)2D3 もしくは、エタノールで24時間処理。
時間依存的にLL-37 mRNAのinductionが13倍までupし、標準単層と三次元培養で観察。
ビタミンD受容体、1-α-hydroxylase遺伝子の発現を観察。hydoroxylaseは機能的で、LL-37誘導は25(OH)D3刺激反応が観察される。他の自然免疫のmicroarray分析では、CD14発現 4倍で、TERM-1( receptor expressed on myeloid cells-1)のトリガーは 1,25(OH)2D3により16倍にupregulateする。。
TREM-1 はマクロファージの自然免疫のピボットな増殖要素として働き、炎症反応遺伝子による増殖をもたらす。GECでのTERM-1活性化は、IL-8 mRNA濃度を増加させる。
1,25(OH)2D3の3次元培養にて歯肉の病原性細菌に対する抗細菌活性増加が示された
ビタミンDは、TREM-1と呼ばれる蛋白産生を刺激し、これは、おそらく白血球由来と思われており、pro-inflammatory cytokine産生を増殖するもの。ビタミンDが荷担している経路があると考えられる。
これらの遺伝子は感染症防御経路にも参戦している。
また、Diamondらは、肺と歯肉細胞がビタミンDの不活化から活性化する働きがあることを見いだしている。局所的投与の開発の諸端となることを期待している。
参照:http://www.sciencedaily.com/releases/2011/06/110617185105.htm
ビタミンDのかかわりが、副鼻腔自然免疫に関するピボット的経路という話
ビタミンDに関する話題 : http://bit.ly/kmWpEt
by internalmedicine | 2011-06-18 09:57 | ビタミン