コカイン依存症:心MRI”無症候心筋障害”所見多し 他検査ではなかなか検知困難

"Silent myocardial damage in cocaine addicts"
Aquaro G, et al
Heart 2011; DOI:10.1136/hrt.2011.226977.
http://www.retecedro.net/wp-content/uploads/2011/06/Silent-myocardial-damage-in-cocaine-addicts.pdf


無症状だが、実は心MRIで見ると、ヘビーなコカイン・ユーザーは心筋ダメージを多く有するという報告。

コカイン中止48時間後、連続30の検討で、心臓MRIで25名に異常あり、左室浮腫14名、線維化22名
心機能は正常だったが、11名は心筋浮腫・線維化が同じ部位に観られ、15名が非虚血性の線維化
浮腫は直近の心筋ダメージの指標であり、可逆性だが、線維化は非可逆性

剖検例では、コカイン依存の20%に心筋炎を認め、非致死性心筋梗塞が25%

コカインの心毒性は無症候であり、MRIで初めて認められるものが多いことが分かった。
この研究では、BNP、トロポニンI、心エコー、運動ストレス試験、24時間心電図が行われている。

5名に一人がC型肝炎、HIV感染し、半数が他の薬物依存、オピオイドやアルコール依存
使用期間は平均12年で、毎日5.5gmほどを利用。snortingが最も多いが、ルートとして注射も2名含まれ
29名のうち、生化学マーカーは陰性で、15名が安静時心電図軽度異常、運動負荷検査、ホルター心電図を含め虚血性・不整脈認めず。心エコーにて12名に壁運動異常認めた。22名の線維化兆候の内、10名が単独依存群で、12名がpolydrug依存群。plydrugほど非虚血性パターン頻度が多い。
CT冠動脈血管造影では52歳で所見認め、年齢的な要素の可能性がある。


心臓MRI4例の依存につき3名異常があり、結局"silent heart attack"・毒性所見を示すと著者ら・・・

by internalmedicine | 2011-06-21 10:19 | 環境問題  

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