インフルエンザワクチン義務化・廃止・任意化と学級閉鎖・病欠変化

一見、かつての”前橋市医師会”のワクチンアンケート調査を彷彿させる研究テーマ
参考:今年も、反インフルエンザワクチン記事の季節となりました2005年 10月 03日

今回は、前橋報告と、逆の結果がでたようだ。

前橋報告は、1981年1月から1985年12月に至る約5年間の報告であり、今回はさらに長い経年的報告である。すべて義務接種中の報告であり対照がはっきりしない。さらに、”欠席者全般”を”インフルエンザによる欠席”と見なしているのは批判に与えられないと思う。

前橋報告は、ウェブ上で原文が掲載されているので、検索して参考いただきたい。”前橋市インフルエンザ研究班/1987年1月”

1984-2007年の24年間の1年生の学級閉鎖・病欠を調査したところ、”義務”→”廃止”→”任意”により接種率変化し、それとともに、ワクチンの効果を示す変動を示している。

Influenza Vaccination of Schoolchildren and Influenza Outbreaks in a School
Clin Infect Dis. (2011) 53 (2): 130-136.

平均学級閉鎖数と病欠率
1984-1987(平均ワクチン接種率 96.5%):1.3日、2.5%
1988-1994(平均ワクチン接種率 66.4%):8.3日、3.2%

ワクチン非接種期間(1995-1999)はワクチン接種率2.4%で、20.5日、4.3%
任意接種期(2000-2007)はワクチン接種率38.9-78.6%で、7.0-9.3日、3.8-3.9%

マイナーなepidemicsを除外したとき、ワクチン接種率と学級閉鎖日数と病欠率は有意に負の相関


インフルエンザワクチンを否定していた”日教組は、病欠・学級閉鎖増加する活動してたことになる”
http://www.nishoren.org/statement/statement-contents/bunshoXX-010917-koizumi.html

参考:小児思春期ワクチン接種で、地域のインフルエンザ半減2010年 03月 10日



反ワクチン運動は根深く、未だに、”前橋報告”を根拠とする話を流布している。

by internalmedicine | 2011-06-21 17:04 | インフルエンザ  

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