ドイツ大腸菌感染流行:NEJM予備レポート

Preliminary Report — Shiga-Toxin–Producing E. coli in Germany
N Engl. J Med. June 22, 2011 | C. Frank and Others
(DOI: 10.1056/NEJMoa1106483)


2011年5月19日、ロバート・コッホ研究所で、ドイツ国家公衆衛生局が、ハンブルグ市の大学病院に同時受診した3名の子供の溶血性尿毒症性症候群の集団発生について情報提示した。
5月20日ロバート/コッホ研究所は疫学調査を補助するためにハンブルグに到着し、症例数増加し、成人や他地域、特に北部ドイツで症例を見いだした。公衆衛生・食品安全局全レベルで、原因菌同定と、予防のための感染車両同定のため調査に当たった。
溶血性尿毒症性症候群は、1950年代に子供で記載され急性腎障害、溶血性貧血、血小板減少を特徴とする。下痢関連溶血性尿毒症性症候群は主に小児に生じ、Shiga毒素産生性大腸菌、特に O157:H7が主原因である。通常のリザーバは、反芻動物、特にウシであり、人の感染は、たとえば、食物、水、動物・農場環境摂食、感染者との接触による、糞便ぶつの不慮の飲食により生じる。
一方、下痢前駆症状からの溶血性尿毒症性症候群は、感染症を意味するが、これは成人ではまれ。たとえば、オクラホマ地域では、1989-2006年で、血性下痢を呈するTTPや溶血性尿毒症性症候群で成人例は21/322の7%。

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Shiga-toxin–producing E. coli outbreak strainのセロタイプ は O104:H4.
ソルビトール培養24時間、ラクトース陽性、β-グルクロニダーゼ陽性、tubtilase negative
Shiga-toxin 2 variant (stx 2a)を有し、Shiga-toxin産生遺伝子はstx 1、eae、ehxを欠く。
attA、aggR、aap、aggA、aggCなどをウィルスプラスミドに有する(heat-stable enterotoxin EAST-1 negative)。
すべての流行菌種はすべてβラクタム抗生剤耐性、3世代セファロスポリン系耐性、フルオロキノロン(nalidixic acid)陽性。ただ、カルバペネムとシプロフロキサシンは感受性があった
ESBL complex (CTX-M15) と beta-lactamase TEM-1産生。
650試料中439の分離株で、Stx産生

by internalmedicine | 2011-06-23 09:03 | 感染症  

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