SHARP研究:慢性腎疾患患者へのシンバスタチン+ゼチーア併用による効果

SHARP (Study of Heart and Renal Protection)研究

”慢性腎疾患は心血管疾患のリスクを増加させるが、心血管疾患予防に関する知見は少ない。・・・eGFR>60の患者ではスタチン治療の血管イベントへの比例効果は腎機能に独立したもの。しかし、30未満では、心血管病理、vascular stiffness、石灰化、構造的心変化、交感神経活動性増強とそれに伴う不整脈・心不全が関連する。LDL低下治療が腎機能障害進展に関連するかどうかが鍵”という前置き。

シンバスタチン 20mg/日+ゼチーア(ezetimibe )10mgは安全に重症CKD患者の動脈硬化イベント減少させる。


The effects of lowering LDL cholesterol with simvastatin plus ezetimibe in patients with chronic kidney disease (Study of Heart and Renal Protection): a randomised placebo-controlled trial
The Lancet, Volume 377, Issue 9784, Pages 2181 - 2192, 25 June 2011 doi:10.1016/S0140-6736(11)60739-3 Published Online: 09 June 2011


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シンバスタチン+ゼチーア:4650名
プラセボ 4620

メディアンフォローアップ 4.9年で、併用群割付ではLDL 0.85 mmol/L(SE 0.02約2/3のコンプライアンス)、主要動脈硬化イベント 17%の比例減少 (526 [11·3%] simvastatin plus ezetimibe vs 619 [13·4%] placebo; rate ratio [RR] 0·83, 95% CI 0·74—0·94; log-rank p=0·0021).

併用群割付の非致死的心筋梗塞、冠動脈性心疾患死亡割付では有意な減少見られず  (213 [4·6%] vs 230 [5·0%]; RR 0·92, 95% CI 0·76—1·11; p=0·37)
非出血性卒中では有意な減少 (131 [2·8%] vs 174 [3·8%]; RR 0·75, 95% CI 0·60—0·94; p=0·01) 、動脈性血管再建手技施行も有意に減少 (284 [6·1%] vs 352 [7·6%]; RR 0·79, 95% CI 0·68—0·93; p=0·0036)

LDL減少サブグループ荷重後、主要動脈硬化イベントの比例的効果の良好なエビデンス見られず
透析・非透析でも同様

筋症の超過リスクは1万につき2名のみn (9 [0·2%] vs 5 [0·1%])

肝炎、胆石、がんの超過リスクエビデンス無し  (21 [0·5%] vs 18 [0·4%]、106 [2·3%] vs 106 [2·3%])、 cancer (438 [9·4%] vs 439 [9·5%], p=0·89)
非血管疾患死亡率超過リスク認めず (668 [14·4%] vs 612 [13·2%], p=0·13)


ゼチーアやっと生き残れる道が・・・”腎臓の薬”リポバス+ゼチーアの併用として・・・?

by internalmedicine | 2011-06-24 10:40 | 動脈硬化/循環器  

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