心周囲脂肪は量依存的に拘束性肺機能障害をもたらす
2011年 07月 09日
Pericardial fat is associated with impaired lung function and a restrictive lung pattern in adults: The Jackson Heart Study
Published online before print July 7, 2011, doi: 10.1378/chest.11-0258 CHEST July 2011 110258
心臓周囲の脂肪は、多変数補正後でも肺機能低下と関連
この相関は内臓脂肪(VAT)補正後も変わらず
FEV1/FVCは例外
心臓周囲脂肪用量が増えれば、拘束性肺障害パターンオッズ増加し、気道閉塞オッズ低下。
内臓脂肪両補正後も、最大4分位で、拘束性肺障害パターンオッズ比が最も高い (オッズ比: 1.85, 95% 信頼区間: 1.22, 2.79
閉塞オッズ比は心臓周囲脂肪量増加毎に減少。これらの相関は用量依存的であった。
序文を読むと、”心臓周囲脂肪は胸腔内パラクライン内分泌臓器である。隣接解剖構造に影響を与えることとなる。心臓周囲脂肪が左室・右室構造・機能、冠動脈・大動脈動脈硬化に影響を与えることは判明している。同様に隣接臓器である肺へも影響を与えると考えるのが当然だろう”という書き込みから始まっている。
”肺動脈への圧迫、肺機能への影響、心周囲脂肪が肺の血管構造を圧迫し、線維化、肺機能障害をもたらすこととなり、全身性炎症、酸化ストレスマーカーとも関連し、肺機能障害をもたらす可能性がある”と説明されている。
心不全 and/or 喘息という病態で、肺機能検査すると・・・なかなか解釈不能ということも多い。肥満でも、拘束性障害パターンということも多い。肺機能評価ってのも細かな知識の積み重ねでなりたつ・・・
by internalmedicine | 2011-07-09 10:57 | 呼吸器系