院外心肺停止に対するボスミン投与:収容前循環は改善するが、アウトカムにつながらない?
2011年 07月 15日
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信頼区間無視した表現でいくと、”アドレナリン投与にて250名のうち40名程度が病院に着く前に循環改善するが、生存退院は6名増えるが、うち2名には神経学的に重篤な状況を作る。神経学的異常が少ない4名の退院時生存例は4名だが、プラシーボに比較して真に増加してるかどうかは分からない”となる。
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院外心肺停止例へのアドレナリン投与二重盲検プラシーボ対照トライアル
アドレナリン1:1000 と生理食塩水・プラシーボ比較
現行ACLSに従う
プライマリアウトカムは退院時生存、他、病院収容前自発循環系回復:pre-hospital return of spontaneous circulation :ROSC) と神経学的アウトカム (Cerebral Performance Category Score – CPC)
Effect of adrenaline on survival in out-of-hospital cardiac arrest: A randomised double-blind placebo-controlled trial
Resuscitation doi:10.1016/j.resuscitation.2011.06.029
4103名の心停止例で、601件ランダム化、534例を調査対象。
プラシーボ群 262、アドレナリン群 272
年齢、性別、バイスタンダーCPRを含めたベースライン特性をマッチ化後検討
・ ROSCは、プラシーボ群 22(8.4%) v アドレナリン群 64(23.5%) (OR = 3.4; 95% CI 2.0–5.6)
・ 退院時生存 5(1.9%) v 11 (4.0%) (OR = 2.2; 95% CI 0.7–6.3)
・アドレナリン群2名をのぞいて全例が神経学的アウトカム:CPCスコア( (Cerebral Performance Category Score)1-2
CPC(http://www.fda.gov/ohrms/dockets/AC/05/briefing/2005-4100b1_03_CPC%20Scale.pdf)に関して、CPCスコア不良例を考えれば、アドレナリン投与の是非、曖昧となる。
by internalmedicine | 2011-07-15 09:28 | 集中・救急医療