くも膜下出血:6時間内CT検査・専門医読影は感度極めた高い
2011年 07月 20日
急性発症重度頭痛→即、専門医療施設へ・・・これが出来ない現状が存在するなら、医療側の責任でなく、医療体制の問題である。すなわち、行政の問題である。
くも膜下出血は医療訴訟問題になりやすい疾病の一つで”バッドで殴られたように突然だったか?”・”こんな頭痛は人生上初めてか?”が2つのキー質問。即専門医・脳外科医へ紹介することが必須。
Sensitivity of computed tomography performed within six hours of onset of headache for diagnosis of subarachnoid haemorrhage: prospective cohort study
BMJ 2011; 343:d4277 doi: 10.1136/bmj.d4277 (Published 18 July 2011)
3132名(平均年齢45.1歳)のうち、2571(82.1%)が重度頭痛、240名(7.7%)が急性くも膜下出血
SAHの包括的CT感度は 92.9%(95%信頼区間 89.0%-95.5%)
陽性予測値は100%(98.3%-100%)
頭痛発症6時間以内953名のうち、121名全員がCTで確認
結果感度100%(97.0%-100%)、特異度100%(99.5%-100%)、陰性予測値100%(99.5%-100%)、陽性予測値 100%(96.9%-100%)
・初期神経学的所見が無くても、救急における、突然発症の頭痛はくも膜下出血の可能性がある
・以前は、除外診断のため、腰椎穿刺がCT所見無しの場合でも行われていた。ほとんどの急性発症の頭痛は良性で自己完了するものであり、一律な腰椎穿刺は有効でなく、不要な検査が行われてしまうこととなっていた。
・6時間以内の、現在の第3世代CTでの熟練された放射線医による解釈を加えればきわめて感度が高い。
・急性発症頭痛の6時間後以降の検査は感度は低下する。
しかし、頭痛を訴えないくも膜下出血も存在してやっかい(Journal of Strok Vol. 17 (6) 334-339 (Nov. 2008))
by internalmedicine | 2011-07-20 09:46 | 中枢神経