下痢・HUSへの輸液の意義:前向き観察研究

溶血性尿毒症性症候群(HUS)前状態下痢症における点滴の意義を前向き観察コホート研究と目的に書かれている。HUSって診断確定の基準までまつととてもじゃないけど治療の遅れにつながる。で、CDCのHUSの診断クライテリアは

(1) acute onset of anemia with microangiopathic changes, such as schistocytes, burr cells, and helmet cells on the peripheral blood smear (these changes are not specific to HUS)
(2) re-nal injury evidenced by hematuria, proteinuria, or elevated creatinine level (above 1 mg/dL in a child younger than 13 years or a 50% increase over baseline).
とpre HUSあるいはHUSが疑われるケースでの早期対処の必要性を示唆する基準と成っている。

USとスコットランドの7つの小児科病院、下痢HUS(Hct<30%、赤血球血管内破壊のsmear evidenceあり)、血小板減少(<150x 103mm3、腎障害(年齢参照値の上限を超える)

下痢発症後4日間点滴という介入、アウトカムは乏尿(尿 0.5 mL/kg/h/1日以下)の存在の有無

Hickey C, et al "Early volume expansion during diarrhea and relative neuroprotection during subsequent hemolytic uremic syndrome"
Arch Pediatr Adolesc Med 2011;165:1-6.

50名登録患者の内、乏尿の発生率は68%だが、輸液無しでは84%

期間中輸液無しによる、乏尿の相対リスクは1.6(95% 信頼区間 , 1.1-2.4; P = .02)
乏尿性HUSの子供は、4日間の投与総輸液量は少なく(r = –0.32; P = .02) 、ナトリウム投与量も少ない(r = –0.27; P = .05)
多変量解析にて、最も有意な共役要素は、輸液量である。量とナトリウム量は共役的関係であった。


スプラウトによるHUSが猛威をふるったヨーロッパ、今、タイムリーな報告?
成人例が多かったが・・・

by internalmedicine | 2011-07-25 09:57 | 感染症  

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