小児血管腫へのプロプラノロール投与にて容積・色素とも改善

新生児の血管腫というのは親御さんにとって心配の種。ランダム対照化トライアル研究にて、プロプラノロールに治療効果が認められた。これは朗報と思われる。

A Randomized Controlled Trial of Propranolol for Infantile Hemangiomas
Pediatrics Published online July 25, 2011 (doi: 10.1542/peds.2010-0029)

塩酸プロプラノロール 2mg/kg/日投与で、4週までで血管腫の進行は減少。
プラセボとの差は有意で、胎児性血管腫の容積、色を減少させる。


インデラルとして20mgなら結構な量だと思うのだが・・・上記報告ではさほど副作用は出てないようだ

血管腫 infantile hemangioma
小児期で最も高頻度の良性腫瘍であり、30%の症例で出生時に認められ、多くは出生後の数週 間以内に出現し、1歳まで増大し、その後、数年間で退縮していく.男女比は1:3、未熟児に やや多いとされる.「血管腫」と呼ぶ場合は、このinfantile hemangiomaに限定するべきであ る.その臨床経過は、増殖期proliferating stage (8-12ヵ月)、退縮期involuting phase (1-12年)、end-stage (線維脂肪組織として残存) の3時期に分けられる.苺状 (strawberry)、 毛細血管性 (capillary)、海綿状 (cavernous)血管腫などと歴史的に呼ばれてきたが、それら の明確な定義が無く、このような用語は使うべきではない.血管腫のsubtypeを、部位により superficial, deep, mixedと分類する.superficialの病変に対するレーザー治療は、経過観察 のみとほぼ同等の予後であるとする報告が最近出たため、その適応はcontroversialである2). 90%以上のinfantile hemangiomaは、経過観察 (wait and see policy)のみで特に治療は必要 としない.....
http://bit.ly/oWTR18



小児外科で治す病気:http://www.jsps.gr.jp/05_disease/misc/bvt.html

by internalmedicine | 2011-07-27 14:42 | 医療一般  

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