米国:出産に関わる卒中入院は増加  ・・・ 高血圧管理が重要

日本では、救急医療、特に、司法的な問題の方が注目を浴びていてるが、国際的にもより根本的問題である、”妊娠出産に関わる卒中”の合併症・死亡率は大きな問題となっている。

Trends in Pregnancy Hospitalizations That Included a Stroke in the United States From 1994 to 2007
Reasons for Concern?
Elena V. Kuklina et. al.
STROKEAHA.110.610592 Published online before print July 28, 2011
doi: 10.1161/​STROKEAHA.110.610592


1994-1995年から2006-2007年の間に、卒中(くも膜下出血、脳内出血、虚血性卒中、一過性脳虚血、脳血管血栓症、他)の出産前入院 47%増加(1000出産あたり0.15 → 0.22)、出産後入院増加 83%増加(1000出産あたり 0.12 → 0.22) だが、出産入院あたりでは 0.27と不変。

2006-2007年において卒中による出産前・後入院のそれぞれ ≈32% と 53%は、同時に高血圧・心疾患を有する。
1994-1995年 → 2006-2007年の2つの状況の変化は主に出産後の入院で増加していることが大きい。


修正しうる状況としては、”妊娠中、あるいは妊娠前の血圧管理”ということになる。

妊娠前後の高血圧治療って薬剤選択困難というのも、もう一つの課題なのだが・・・

妊娠中降圧剤と心血管奇形 :薬剤特異性無く、根本は原疾患としての高血圧が原因 2009年 05月 19日

製薬会社としては当然の行動だとは思うが、自社製品保護にてマーケット上少数の存在は無視の状況。
妊娠前後に関わる各種降圧剤安全性に関わる科学性追求を行うはずもなく
行政はいつもの通り無策で、責任はつねに現場へ押しつけ・・・という状況。

by internalmedicine | 2011-07-29 09:02 | 動脈硬化/循環器  

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