マンモグラフィー検診って実は役立ってない?
2011年 07月 29日
BMJ 2011; 343:d4411 doi: 10.1136/bmj.d4411 (Published 28 July 2011)
1989年から2006年に、乳がんによる死亡は、北アイルランド 29%、アイルランド共和国 26%減少し、オランダ 25%、ベルギー 20%、フランダース地方 25%、スウェーデン 16%、ノルウェー 24%。
時間トレンドと年毎の下降傾向は、 北アイルランド、アイルランド共和国、オランダ、フランドルの間に間に類似していた。
どのペアの国も同様な、医療サービスで、乳がんリスク要素頻度であるが、マンモグラフィー検診の導入にばらつきがあり約10-15年の開きがある。
すなわち、国別比較で、マンモグラフィー導入に開きがあるものの、それが死亡率に反映していない。
初回マンモグラフィー検診導入推奨後の年数と年齢補正乳がん死亡率(女性;スウェーデン、ノルウェー)
マンモグラフィー検診被験と年齢補正乳が院死亡率(オランダとベルギー)
各国それぞれ検診率(細い線)が上がってるのに、死亡率はほとんど他国の傾向と変わらない!
検診をうければすべて解決・・・って訳でもなさそう
”乳がん検診”だけでなく”検診”全般に共通するが、”検診”は決してすべてを解決する魔法ではない。”検診”することで”無用な検査”や”治療”がなされる危険性や心理的負担・金銭的負担もついてくる。
検診する前に、検診する側が主体的にインフォームド・コンセントをとる必要があるのだが・・・現実にやられているところは少ない。特に行政主体の検診において・・・
この報告が良いきっかけになればと思うのだが・・・ ”ピンクリボン運動”の強風下、検診リスクに関する意見は吹き飛ばされる・・・
by internalmedicine | 2011-07-29 15:02 | がん