ランダム化二重盲検プラシーボ対照:CRTH2アンタゴニスト "OC000459" の中等症持続喘息への有用性

CRTH2アンタゴニスト "OC000459"とは、G-protein-coupled receptorで、プロスタグランジンD2反応に関わるTh2リンパ、好酸球、好塩基球活性化に関わる受容体を介して働く。


A randomized, double-blind, placebo-controlled study of the CRTH2 antagonist OC000459 in moderate persistent asthma
< href="http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/j.1365-2222.2011.03813.x/abstract">Clinical & Experimental Allergy Article first published online: 15 JUL 2011 DOI: 10.1111/j.1365-2222.2011.03813.x


薬物群 55、 プラシーボ群 52

フル解析(FA)ではFEV1変化 7.1% v 4.3%(有意差無し)
per-protocol(PP)では、9.2% v 1.8% (P=0.037)

QOL改善はフル解析、per-protocol解析でも明らか  [差 AQLQ(S) total score 0.29, P=0.0113 v 0.37, P=0.0022 ]

OC000459は夜間症状スコア改善 (mean reduction of 0.36 vs. 0.11, P=0.008, FA population; 0.37 vs. 0.12, P=0.022, PP population)

geometric mean sputum eosinophil count は2.1%→0.7%へ減少  (P=0.03)
しかし、この効果はプラシーボ変化に比べると有意でなかった (P=0.37)

副作用イベントは同等で、呼吸器感染は OC000459群でプラシーボより少ない


Chemoattractant receptor - homologous molecule expressed on Th2 cells(CRTh2)は,ヒトTh1 細胞とTh2 細胞の発現遺伝子比較によりTh2 細胞に選択的に発現する受容体としてクローニングされ,その後,好酸球,好塩基球,単球,樹状細胞など種々の炎症細胞にその発現が確認された .リガンドであるPGD2 は,アレルギー性疾患患者の炎症局所において主に肥満細胞などから抗原暴露時に産生され検出されるアラキドン酸代謝物の一種であり,CRTh2 を介してTh2 細胞をはじめとする炎症細胞に作用し,遊走やサイトカイン産生を促す .また,PGD2 の受容体としてはCRTh2 以外にDP 受容体が知られている.CRTh2 ノックアウトマウスに関する報告では,抗原を感作・気道内暴露した際に,野生型マウスと比較して血清中IgE の低下や気道における好酸球性炎症の低減あるいは粘液産生や気道過敏性亢進の抑制など喘息症状の低下が認められたという報告があり,その喘息治療薬の標的分子としての可能性が示されている .その一方で,CRTh2 ノックアウトマウスにおいてIL - 5 などのサイトカイン産生が亢進し,好酸球性炎症が増悪したという報告もあり,CRTh2 の喘息などアレルギー性疾患における役割にはいまだ不明な点も残されている .しかし,現状では多くの企業がCRTh2 拮抗薬の研究開発に参入しており,米国では低分子CRTh2 拮抗薬の臨床試験が開始された.(http://www.jstage.jst.go.jp/article/fpj/131/2/115/_pdf/-char/ja/)

by internalmedicine | 2011-08-01 14:52 | 医療一般  

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